住みたい街 首都圏/キケンな街の見分け方

水害増加中!災害に強い街を選ぼう

災害というと、地震にばかり目が行きますが、首都圏では都市化で、水害が発生しやすくなっていますし、意外に身近な場所に土砂崩れ危険区域も。自然災害に強い街の選び方をチェックしましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

ヒートアイランド現象、舗装地域増加で
都市型水害が急増!



ヒートアイランド化が進む東京
大気汚染による温室効果、建築物の影響による風の減少などヒートアイランド現象の原因は複数あるといわれている
環境に関心のある方なら、ヒートアイランド現象という単語を聞いたことがあるでしょう。地球は全体として寒暖を繰り返しながらも、平均気温では上昇傾向にありますが、都市部ではそれを上回るペースで温暖化が進んいます。その結果、等温線の形が島状になることから、都心部の温暖化をヒートアイランド現象と呼んでいるのです。


進む都市化
東京の8月の平均気温はこの100年で2.6度上昇しているという
都市のなかでも、急速に温暖化が進んでいるのは東京です。地球全体での温度上昇はこの100年間で約0.6度から約1度といわれていますが、東京ではなんと、2度あるいは3度とも。同時に湿度は15%ほども下がっています。


こうした気温上昇は都市部に住む私たちにさまざまな影響を及ぼします。日常的に分かりやすい例は熱帯夜でしょうか。かつてのように、1ヶ月に何日熱帯夜があったかではなく、ほぼ毎日のように熱帯夜が続く夏はすでに当たり前になりつつあります。

予想以上の集中豪雨が降りやすいのは
都市の構造そのものに問題が



そして、私たちの暮らし、住まいに大きく害を与えかねないのが、局地的な集中豪雨の増加です。東京都では1時間あたり50ミリの降雨を想定、それに対応できるように治水施設の整備を行ってきました。ところが、昨年9月のように、それを上まわる降雨が毎年のように発生、場所によってはその倍以上の降雨も記録されているのです。

雨水がしみこみにくい構造
都会では雨水が地中にしみこむすべがなく、下水道などへ一気に流入することに
都市部ではもうひとつ、水害が起きやすい要因があります。地表の多くが建物やアスファルトの道路で覆われているという点です。その結果、雨水が地下にしみこみにくく、短時間に大量の雨水が河川や下水道に集中、河川の氾濫や地盤の低い地域での浸水が発生しやすくなっているのです。


深くなる地下鉄
新しく作られる地下鉄はどんどん深い場所に
もうひとつ、都市では地下の利用が進んだことが、被害を拡大することにもつながっています。平成11年には地下室への浸水で死亡事故が発生しましたし、地下街への浸水のニュースも記憶に新しいところです。直接的に水によって被害を受ける以外にも、地下にある電気などの共同溝や駐車場などが影響を受けると、電気やガス、鉄道、道路などがストップ、都市機能そのものが麻痺する可能性すらあるのです。

では、危ない場所を知るためにはどうすればいいのかを、次ページで見ていきましょう。
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