マンション価格、金利ともに上昇の兆し。となると、どこで買うかは大きなポイント。利便性、環境、将来性を合わせて考えてみました。
マンション価格上昇!
これから買うなら、今は安くても将来性のある場所を
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中古価格も含め、高騰が伝えられる新浦安。ここ1年で10%以上の上昇を予測する向きも |
春以降、都心部のマンション価格は上昇傾向にあります。雑誌や新聞でも、値上がり予想記事が増えています。実際の土地取引でも、一度入札が行われ、再入札となった土地がたった2年で3倍もの価格をつけたなどという、信じられない話があるほどです。当然、そうした土地に建つマンションは、これまでの価格の何割増しかになるはず。どうしても購入したい、そして、買える資金のある人はそこまで待つべきではないでしょう。
また、都心部の価格上昇を反映して、各デベロッパーは郊外での土地取得に奔走し始めています。郊外ならまだ、買いやすい値段の物件が供給できるからです。しかし、もともとその土地に住んでいる、仕事先に近いなど、積極的な意味でその場所がいいと思える人以外には、そうした郊外地域はお勧めしません。というのは、かつてのバブル時にも同じ現象が起きているのです。都心まで、電車に乗っているだけで1時間以上など、今から思うと信じられないほど遠い場所で、大量にマンションが供給されていたのです。当然、今、そうした物件は売ろうにも売れません。これからの郊外物件にも、同じ危険が潜んでいるのです。
では、買ってはいけない郊外とはどのくらいの場所か。都心からの距離でいえば、30キロ圏。千葉、柏、八王子、厚木以遠と考えてください。神奈川県内を除けば、国道16号より遠く。こうした地域で、「ここでしか買えないから」という選択をすると、10年後に後悔する可能性があります。
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都心からの距離と同時に、最寄り駅からの距離も大事。資産価値的には少なくとも10分前後までにしておきたいところ |
では、高くなった都心、不便な郊外以外で、どの地域を選べばいいのか。それは、今現在、ある程度の便利さがあり、将来的にはもっと便利になる、最低でも都心への所要時間が1時間以内の場所です。具体的にお勧めしたいのは、つくばエクスプレス、埼京線、南武線の3沿線に、番外編として東急東横線日吉。以下、おすすめポイントをまとめていきましょう。
つくばエクスプレス
今なら駅近物件が豊富、便利さも年々アップ
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秋葉原、つくば間を結ぶつくばエクスプレス。当初予想より乗降客数が多い順調な滑り出しの1年だったそうだ |
昨年8月に開業したつくばエクスプレス。「買ってはいけない」30キロ以遠も含まれますが、都心への所要時間ではつくばまで最速45分。この、時間的な近さは魅力です。開業前から、沿線でのマンション、商業施設などの建設計画は多く、1年経った現在、一部の街ではすでに街区が形を見せつつあります。この開発の早さは、日本で始めて、宅地と鉄道を同時に開発しようという、宅鉄法によるもの。住まい先行だった、ニュータウン開発などと大きく違う点です。
開発が予定されているのは、地域にして20カ所、総開発面積は全体で約3300万m
2で、そのうち、宅地となるのは1400万m
2。計画人口は約26万人といいますから、ひとつの区、市が誕生するくらいの規模です。
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八潮駅前ではマンション、大型商業施設の建設が同時に進んでいる |
この沿線の魅力は、今なら駅に近い便利な場所に買えることでしょう。現在建設が進んでいるマンションも大半は駅から5分内外。中には駅に隣接した物件もあり、こんな物件が供給されるのは、今だけです。研究学園都市のように、一戸建てでも駅から数分以内という場所もあります。また、八潮や流山おおたかの森、柏の葉キャンパスなど、同時にショッピングセンターが建設されている駅なら、生活の便利さも二重丸。計画的に作られる街が大半なだけに、駅前には必ず駐輪場が用意されていたり、公園や道路、学校などが整備されていたりなど、住みやすさへの配慮も十分です。
ただ、南流山や守谷などの快速停車駅ならいいのですが、それ以外は電車待ちの時間は馬鹿にはなりません。大型商業施設は作られるものの、もともと何もないところに開業しただけに、商店街や病院などが充実しているとは言いにくい地域もあります。沿線には進学率で有名な学校も多く点在していますが、通学代はかなりかかることになります。
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つくばはインターナショナルな雰囲気、独自の教育体制なども魅力 |
とはいえ、5年後、10年後にはもっともっと便利になりそうな沿線です。自然にも恵まれた場所ですから、都市と郊外の良さ、両方のいいとこどりをしたい人にはお勧めでしょう。
では、続いて埼京線、南武線、番外編の東急東横線日吉を次ページで見ていきましょう。