賃貸と購入で違う街の選び方
購入するなら、10年後、20年後をイメージする
暮らしにあわせて間取りを選ぶように、自分たち家族の将来像にあわせて街も選びたいもの |
教育熱心な家庭の中には学校の評判から街を選ぶ例も多い |
同様に、20年後には子どもの独立が絡んできます。子ども部屋が不要になるとしたら、今、買おうとしている広さは必要なのか。あるいは、老後も住み続けるとしたら、その街は住みやすい場所なのか……。将来にわたって住みやすい街を選ぶためには、賃貸よりも、ほんの少し余分に情報収集していただきたいのです。
もちろん、子どものいない家庭や、単身世帯でも10年、20年経てば仕事との付き合い方や親との関係など、さまざまな変化が生じてくるはず。もちろん、すべてを予測するわけにはいきませんし、予測しきれるものではありませんが、自分なりの将来像を描いておくほうが、将来的にも気持ちよく暮らせる街が選べるはずです。
環境重視の家族でも
足回りの利便性は譲ってはいけない
足回りの便利さは街の将来性などとも大きく関連する |
一戸建ての多い閑静な住宅街は駅から離れていることが多いが…… |
そのため、利便性と環境を二者択一で考える人もいますが、それは大きな間違いです。特に足回りの利便性は譲ってはいけません。環境を重視したい人でも、ベーシックな足回りの利便性は必須。将来にわたって自分たちらしく暮らすための最低条件です。
それは人生に選択肢を残すため。たとえば、子どもができて仕事を辞めた妻が再就職を考えたとき、仕事を探しやすい、家事と両立させやすいのは駅に近く、生活も便利な立地です。仕事や親との関係で住み続けられなくなったとき、売ったり、貸したりしやすいのも同様に、便利な場所。足回りが便利で、人の行き来が多い場所であれば、高齢化が進んでも活気は失われにくく、買い物が不便になる心配はないでしょう。住まいは「なりたい家族」を実現する場であると同時に、「なりたい家族」であることの妨げにならない、バックアップしてくれる存在でなくてはいけないということなのです。