ひとり暮らししてみたい街は
ホントにひとり暮らし向きの街?
住んでみたい街ランキングにはいろいろな種類があります。ここで取り上げたのはひとり暮らしをしてみたい街ランキング。多くは全国的に知られた、憧れの街が挙げられていることが分かります。
が、実際の暮らしにベストかどうかは、残念ながら別問題。憧れは憧れとして、現実的に一人暮らしに向いている街、不向きな街はどこか、冷静に考えてみましょう。
物価が安く、外食しやすい、
夜の遅い街がおすすめ
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外食の価格だけでなく、中食(持ち帰って食べる)事情も要チェック。古い商店街ならお惣菜屋さんも充実している |
ひとり暮らしに◎な街、×な街を考えるにあたって、考えておきたいのは、ひとり暮らしの懐具合、生活パターンです。まず、懐具合では、家賃を払うとそれほど潤沢に生活費が残るわけではない人が多いはず。その意味では商店街が充実していて競争があり、物価の安い街のほうがベターということになります。
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飲食店はもちろん、深夜営業のスーパーがある街がお勧め |
また、カップル、ファミリーに比べると外食比率が高いのもシングルの特徴。当然、飲食店が多い街のほうが◎ですし、できれば、こちらも安い店がうれしい。さらに、夜遅くなりがちなことを考えれば、深夜まで営業しているスーパーや飲食店などがあれば暮らしやすいというものです。
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人気駅のひとつ吉祥寺。商店街、大型店に公園など、近くに欲しい要素がすべて集まっている |
となると、吉祥寺、自由が丘、恵比寿、下北沢、三軒茶屋、中目黒などといった、人気の街がイメージされますが、ここでもうひとつ、気になるのが家賃。人気の街になれば、それだけ家賃が高くなる。いくら、外食費が安くついても、家賃が高かったら住めないよ……。
家賃差1万円程度なら、
便利な街のほうが生活費は安くついて◎
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沿線によって駅による価格差には違いがある |
もちろん、家賃が倍になるのであれば、いくら便利といっても住めません。が、人気の街とそれ以外の街の家賃差がそれほどないとしたらどうでしょう。これについては沿線によって差があります。
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中央線都内部の相場はどの駅も高めだが、都下に入ると吉祥寺を除いて借りやすくなる |
まず、あまり差がない例を挙げましょう。首都圏のワンルームの相場7万円で部屋を探すとして、中央線吉祥寺のワンルームマンションは7万円台の後半くらいが平均的です。ちょっと予算オーバーですね。しかし、それが三鷹、武蔵境と遠くなっても、賃料は1万円も下がりません。それであれば、家賃は予算よりやや高めでも、物価、飲食費が安ければ、生活費トータルでは同じくらいに落ち着く可能性が高いと思われます。
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自由が丘周辺では古い、駅から遠い物件が多い |
しかし、東急東横線のように都内部の賃料が極端に高い沿線では事情が全く異なります。人気の東急東横線自由が丘のワンルーム相場は10万円を超し、駅から遠くても8万円、9万円というところ。ところが、多摩川を越えると、武蔵小杉のような一部駅を除けば7万円以下。2万円以上の家賃差になります。これでは、いくら物価が安くてもトータルでの生活費は予算オーバーになりかねません。
シングルの懐具合に関する取材経験からすると、もともとの予算が7万円前後であれば、予算から5000円のアップは日常的な節約で吸収できるもの。それが1万円になると、かなり意識した節約が必要になります。しかし、その分、物価が安いと考えれば、決して無理ではないはず。もちろん、無理して借りなさいというつもりはありませんが、一考の余地はあると思います。
では、次ページでおすすめ、◎な街を見ていきましょう。