多摩ニュータウン復活?!
都心の公務員宿舎や都営住宅建替えにも期待
ダースホース的な存在としては緑の高台、営々と整備されてきたものの、昨今政策の失敗の見本とされてきた多摩ニュータウンの復活もあり得るかもしれません。地震にも安心な高台だけに、あのまま廃墟にしてしまうのは惜しすぎる、私はそう思っています。
実際、2007年12月26日、UR都市機構は同年24日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」を踏まえ、「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を発表、団地再生、ストック活用、用途転換、土地所有者への譲渡・変換等の手段で現在の約77万戸を10年後には約5万戸削減、より時代にあった住宅にしていくことを打ち出しました。具体的に個別の団地がどのような形で生まれ変わることになるかは今後の問題として、変化は始まりつつあるのです。
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この写真を撮影したのが北品川アパート。オートロックその他の設備はもちろんない |
再生という意味では、汐留、豊洲、品川など再開発エリア周辺の都営住宅の建て替えにも期待したいもの。こうしたエリアを訪れると必ず、都バスの車庫の上などに都営住宅があるのですが、いずれもかなり古い。例えば、北品川の、品川コモンズに面した都営住宅は1969年に建てられ、築38年(2007年時点)。しかも42m
2の2DKとかなり狭め。今後、住環境アップを目指すのであれば、こうした公的住宅を建替えることで引き上げを図っていく手もあるのではないかと思います。
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ゆったりした住戸配置が羨ましい青山北町アパート。敷地内を歩いてみると空き室も目につく |
ちなみにこうした都営住宅のうちでも、個人的に注目しているのは表参道の、国道246号裏手にある青山北町アパート。1957年から1968年に建てられたもので、戸数は481戸。こちらも32~52m
2とあまり広くない上に、土地利用としても余裕を持ったもの。建替え計画自体はあるものの、今のところ、表立った進展はないようですが、場所が場所だけに有効に利用できれば面白いだろうと思うのですが、石原さん、いかがでしょうか?
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都内一等地にある公務員宿舎が放出されれば、都心居住がまた身近に? |
また、都心部の土地供給でもうひとつ、気になるのが公務員宿舎放出。平成2006年に出された「東京23区内に所在する国家公務員宿舎の移転・再配置と跡地利用に関する報告書」(国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議)によると、23区内にある宿舎では老朽化した団地を中心に容積率に対し利用率が低い、都心部立地が多いなどの特徴があるのだとか。そのうち、今後新たに有効活用できる土地としては23区内で218ヵ所、55ha(うち都心の千代田区・港区・中央区の3区で21ヵ所、3ha)があるとし、廃止などを提言しています。それがどのように活用されるかについてはまだまだ論議はあるものの、住宅用地として供給されることも十分あり得ます。
そして、その提言が目標としていたのは10年後の2016年。多少、ずれるとしても2017年にはかなりの変化が起っていてしかるべき。もう一度都心で手頃に住宅購入が可能になるとしたら、ウレシイ話です。
最後は大変貌するかもしれないあの沿線を見ていきます。