妊娠中の肩こりに悩む人は多い
肩こりがほぐれるだけでも妊娠中の体調が楽に感じる人もいます
結局、肩こりを我慢し続けてしまい、頭痛や背中の痛み、手のしびれにまで及ぶようになってしまった、という話も聞きます。
妊娠中に放置した肩こりが、産後悪化する?
育児をしながらの妊婦生活の場合、肩こりをケアする余裕がない、という人もいます
慢性的に重い肩こりがあるアンバランスな状態で、産後に赤ちゃんの抱っこや授乳を頻繁に繰り返していると、肩甲骨周囲の筋肉が過剰に緊張し、腕が挙がりにくくなったり、腕、手のしびれ、冷えた感覚、腱鞘炎などに発展してしまうケースもあります。
妊娠中は、まだ自分で生活ペースがつかめるかもしれませんが、産後の時間は赤ちゃん中心。何らかの症状が出てしまっても、痛みに耐えながら抱っこをしなくてはならなかったり、時間がとれず病院で処置をしてもらうこともできない、といった悩みの声もよく聞きます。妊娠中から、少しずつでも肩こりを悪化させないよう、体のバランスの調整ができると理想的です。
妊娠中の肩こりの原因
肩こりは、あらゆることから影響を受けやすく、また完全に解消しにくいものでもあります。それは、肩こりをおこす原因が複数で、ひとつの原因からコリを生じているとは限らないからです。肩こりになりやすい生活スタイルや性格もあるようですが、妊娠中の肩こりの原因として多いものをいくつか挙げてみましょう。
- 体を動かす機会が減り、運動不足による血行不良が起きやすくなる
- 妊娠の影響で眠りが浅くなり、疲労が回復しにくくなる
- 妊娠中は、体が熱くなったり、頭がボ~っとしやすく、それら解消のためについ体を冷やしがちになる
- お腹が苦しくて寝る姿勢が定まらない。さらに思うように寝返れず、同じような姿勢で寝てしまいがちになる
- 妊娠・出産・産後の心配事が多く、不安を抱えている状態になる
- 妊娠中、体調や家事、仕事のことなど、旦那さんや職場など周囲からの理解が得られにくく、ストレスを感じてしまう
- お腹が大きくなり重心の位置が変化することで、背中や首・肩周辺に負担がかかりやすくなる
- つわりの間や医師の指示による安静期間が長い場合、横になってじっと過ごす時間が多くなってしまう
軽く体を動かすことで効果を感じるケースもあります
ゆっくり散歩をして気分転換することも肩こりに有効です
不安やストレスがなくなってしまえば良いのですが、そうもいかない場合は、意識的に体の力が抜けるよう、大きく深呼吸を繰り返したり、理想の気持ちの落ち着く状態を繰り返しイメージしてみる、といったリラックス方法を取り入れてみましょう。
以下で妊婦さんの肩こり解消エクササイズをご紹介しますが、妊娠の経過が順調であることが前提です。エクササイズを行う前には、必ず担当医師から許可を得るようにしましょう。
まずは心身をリラックスさせるエクササイズ
ストレスでイライラが続くと、胸や背中の筋肉がガチガチに緊張しやすくなります。そうなると普段から呼吸が浅くしかできず、息苦しさを感じたり、肩こりを起こしやすい姿勢になったり、眠りにくくなったりと、体調不良に繋がりやすくなってしまいます。ここでは肩こり予防と心のリラックスに効果的なエクササイズをご紹介しましょう。最近、怒りっぽいかも……という時にもお試しください。息を吸いながら気持ちよく胸を開いていきます
両手を後ろへつき、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。この時、目線を上げていき、胸を天井方向へ張るよう意識しましょう。
無理に体を曲げるのではなく、あくまでお腹側をリラックスさせます
落ち着いたら、再度「1」を繰り返しますが、目を閉じて行うとリラックス度がUPします。胸だけではなく、肩甲骨付近の背中の緊張も和らげます
妊娠中の体を伸ばす肩甲骨エクササイズ
背スジをしっかり伸ばすように天井方向へ伸び上がりましょう
この時、鼻からゆっくりと息を吸い込みながら行い、脇や背スジが伸びていくのを感じましょう。気持ちよく伸びたら「2」へ。
肩甲骨付近の筋肉を意識しながら、肩甲骨を寄せます
この時、肩甲骨を寄せる意識で動かしてみましょう。寄せきったところで、3秒キープ後、再度「1」を繰り返します。
肩こりが強いと動かしにくいかもしれませんが肩甲骨を寄せてみましょう
左右の肘を近づけるように意識すると、肩甲骨を寄せやすくなります。
体を動かすと、お腹が張りやすくなる人もいますので、もしお腹が張り苦しく感じたり、体調に変化が出た場合はすぐにエクササイズを中断し、早めに担当医師にご相談ください。また、肩こりでつらい部位には、お手軽な湿布を貼りたくなるかもしれませんが、妊娠中の湿布薬は、薬剤成分が妊娠中の体におなかの赤ちゃんに影響を及ぼす危険もあります。貼り薬や塗り薬は購入前・使用前に担当医師に確認をとってください。