住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

古い?風情がある?下町って住みやすい?(4ページ目)

江戸時代から開発されてきた古い街で、風情も人情も残る、それが下町とされるエリアです。では実際に住むとしたらどんなところが魅力なのか。散歩ガイドの増田剛己さんと歩きながら考えました。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

刺激的、最先端ではないけれど、
穏やかでゆったりした暮らしの場

水上バス
水上バスで隅田川を上る。沿岸のあちこちにクレーンが見え、街が変化していることが実感できる
門前仲町で深川飯をいただいた後は越中島まで戻り、水上バスに。陸上の交通と違い、渋滞知らずで快適な水上バスはもっと活用されてもいいアイテム。隅田川沿いに住んで、お台場や銀座まで水上通勤というのも楽しそうです。

吾妻橋
隅田川を挟んで吾妻橋の左が浅草、台東区。右は墨田区役所が見えるように墨田区になる
水上バスの終着地吾妻橋からは隅田川を渡り、墨田区本所吾妻橋へ。ここには長年買いに来ている塩昆布の店があり、ちょっと寄り道。この店ではいまだに店舗の裏で家族が作業をしているのが見えるような家内制手工業(!)を続け、店舗も増やさずに営業しているのですが、その理由は「手を広げると品質に目が届かなくなるから」。前述した、儲けよりも品質と言い切れる下町気質がここにも残っているのです。

長命寺の桜もち
1717年以来、同じ形で作られ続けているという長命寺の桜もち。控えめな甘さでこれなら甘いものが苦手な男性でもぺろり、のはず
そして、最後の目的地は隅田川沿いの言問団子。が、言ってみると定休日で、急遽近くの長命寺の桜もちに変更、熱いお茶で散歩を終えました。下町ではこうした甘味どころが充実しているのもうれしい点です。ちなみに下町の外食でおいしいものと言えば、寿司に天麩羅、鰻、蕎麦、洋食ですが、おやつで言えば団子、饅頭、煎餅、鯛焼きといったところ。もちろん、それだけに留まっていないのは月島でご紹介した通りです。そうそう、意外に喫茶店が生き残っているのも下町。カフェも含めて考えると、街中におしゃべりする場が多い気がします。

深川の猫
下町ではよく猫を見かける。可愛がられているのか、人に怯えたりはしない。犬は柴犬が多い。こちらも人懐こい犬が多い気がする。動物が生きやすい街は人も生きやすい。そんな気もする
とはいえ、今回歩いたのは下町と呼ばれる広いエリアのごく一部。他の街には違う魅力もあるはずですから、皆さんもぜひ、あちこちの下町をぶらぶらして、住みやすそうな場所を探してみてください。刺激的な毎日、とはいきませんが、穏やかで充実した毎日が送れる場所があるはずです。
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