楽しかった思い出、描いた未来予想図をいくら持ち出しても、離れた心は戻らない |
連絡がつかなくなって、次に会った時はもう別れ話を突き付けられてしまうこともある。自分の気持ちのほうが変わってしまうことも少なからずある。昨日まで好きだったのに、今日はその想いが揺らいで、消えそうな光になっているのに気付いた時、別れを突発的に選んでしまうことがある。
恋愛に限らないことだけれど、人間関係は絶え間なく変化しつづけるもの。だからこそ、かけがえがない一方、脆くもあるのだろう。突然の別れを引き起こす、理由は、たぶん、明確な何かや大きな事件などのせいではなくて、日々をともにする中でたまっていった澱のような感情ではないかと思う。
突然の別れをきちんと咀嚼・消化するために、または、事前に回避するために、知らず知らずのうちに別れを引き起こしてしまう、いくつかの原因(すべてではないけれど)について考えてみたい。
コントロール欲や所有欲が強すぎる
恋をすれば、少なからず、相手を支配したり、所有したいという感情がわきあがるもの。それも多少ならば、恋のスパイスになりえるし、恋愛初期は、過度な束縛や嫉妬心すらも、痛気持ちいいもの。だけど、我慢しているうちに耐久性もついてきて、我慢がクセになってしまうこともある。優しく我慢強い女ほど、支配欲の強い男性を引き寄せやすいという法則だ。それまで自立していた女性も、恋人に支配されているうちに、ひとりで生きて行く術を忘れてしまうことも。すると身勝手なもので、支配している側は、相手を粗雑に扱い始めてしまう。いつのまにか抜け出せないアリ地獄に陥って、突然別れが訪れる――。恋愛における距離間は、初期から注意深くあったほうがいいのかも。
完璧な愛や理想のパートナーを求めてしまう
好きになった人には、知らず知らずのうちに、自分の理想のパートナー像を重ねてしまうもの。すると、相手はその期待を察知して、その通りに動いたり、良いところばかり見せてしまいがち。もちろん、逆もしかり。相手の理想を背負って、自然とそれを演じてしまうこともある。だからこそ、恋は楽しい部分もあるけれど――。完璧な愛や理想の恋人を求めることは、恋に恋していることとイコール。目が覚めて、等身大の相手が見えた時に、裏切られたような気持ちになってしまう。夢を見たのは自分の勝手にも関わらず、相手を責めたり、怒ったり悲しんだりしてしまう、その結果、突然の別れを選んでしまう。