カウンターには湯釜と柄杓、手のひらに心地よくおさまる小さな急須が並んでいます。 |
日本茶とスタッフ手作りの和菓子で、めぐる季節を感じて
「回季で味わっていただきたいのは、二十四節気を表現するお茶と和菓子」と飯田さんは語る。一年を24の期間に分け、立春、雨水、啓蟄…と名づけた二十四節気は、かつては日本の暮らしに根づき、人々に繊細な季節の感受性をもたらしていた暦。回季では、そんな原点に回帰し、めぐる季節を五感で満喫するために、二十四節気にちなんだ和菓子ととともに日本茶を楽しませてくれる。
店長として活躍するのはお菓子ユニット「ユイミコ」の大森慶子さん。合成着色料や保存料をいっさい使わずに、毎朝店内であんを炊き、ていねいな手作りで和菓子を仕上げる。
「ひとつひとつ、食べる人のことを思い浮かべながら作っています」
日本茶は最後の一滴がもっとも美味。訓練を重ねたスタッフが湯温と抽出時間をしっかり守って淹れてくれます。 |
なぜカフェをオープンしたのですかと飯田さんにお訊ねしたら、幾つかの貴重な出会いについて話してくれた。たとえば、この建物と出会ったこと。そして、静岡の茶農園「向島園」で若き園主が丹精こめて育てている、無農薬・無化学肥料のお茶との出会い。