犯罪を呼ぶ街は?呼ばない街は?
閑静な住宅街でも、犯罪が起こる可能性が。 |
女児誘拐殺人事件が起こった奈良の住宅地は、閑静な住宅街です。犯罪とは無縁と思えるような静かな街。当日犯人は、違う大阪の街で子どもを捜していました。しかし子どもが見つからず、あの誘拐現場に向かったようです。そしてその場所も、たまたま土地勘があっただけ。このように考えると、どの街でもあのような犯罪が起こる可能性があるといえるでしょう。
ではこれらの犯罪はどのようすれば、防げるのでしょうか?それは、その街のもっている「コミュニティ力」だと思います。道をすれ違う人がお互い挨拶をする、歩いている子どもに声をかけるなどの地域の意識が、犯罪を遠ざけるのではないでしょうか?犯罪を企てようとしていたところ、挨拶をされ顔を覚えられたかもしれないと思い、犯行を留まったという例もあります。このように、住民が気軽に挨拶をしているかもチェックしましょう。道を歩きながら、ちょっと挨拶をしてみましょう。気軽に挨拶を交わしてくれる人が多ければ、より安心ですね。
自治会などの地域の取り組み
この住民同士の交流を活発に行おうと、自発的に活動を行っている自治会があります。PTAの防犯パトロールや、ボランティア組織のパトロールなどが代表ですが、その中で注目をあびているのが、「わんわんパトロール隊」。パトロールの目印として腕章などをつけて、愛犬の散歩をするというもの。不審者をみかけたら110番をするという簡単なルールですが、子どもの下校や外遊びの時間に合わせて散歩をしたりと各地で工夫をこらし、地域を見守っています。何よりも特別なことをせずにパトロールが出来るというのが、素晴らしいですね。中では平成15年、東京都世田谷区砧地区に「砧町町会わんわんパトロール隊」が発足しましたが、前年に比べ、空き巣が55%も減ったというデータも出ています。
また、川崎市高津防犯ネットワークの川崎市高津「高津わんわんパトロール隊」は、2005年2月時点で登録隊員数230頭!ホームページでは、各隊員のワンちゃんの写真も公開されており、地域のコミュニティにも貢献しているようです。いずれにしても、このようなパトロール腕章をした人が多く見られる街では、子どもを安心して外で遊ばせることが出来ますね。地域が自ら、街の防犯力を自分達の手で高めるという素晴らしい例です。
昨年は奈良の女児誘拐殺人事件など、子どもを巻き込んだ凶悪犯罪が相次ぎました。子どもを取り巻く環境は、年々悪化しています。子どもには犯罪とはかけ離れた所で、のびのびと成長していってもらいたいですね。
親だけでなく、自治体や地域が一丸となって子どもを守り、安心して暮らせる街づくりがすすんで欲しいものです。