ワンルームの中にもう一部屋
上/玄関からの眺め。梯子は屋上のペントハウスに通じている。写真:谷尻誠 中上/テラス側からの眺め。中中/折れ屋根の小屋は東南の角に置かれている。内部の広さは約4畳。中下/小屋の内部。天井にも正方形の穴が開けられている。下/片持ちで壁から張り出したキッチンカウンター。低い収納家具の隣が玄関。 |
3階の玄関ドアを開けるなり、目の前に広いワンルームが現れます。天井はデッキプレート。黒くペイントされた鉄骨の梁と鉄筋の筋交いが現しになり、壁は木毛セメント板(木材をリボン状に削りセメントと混ぜて圧縮成型した木質系セメント板)、床はラワン合板敷きという、建材のそのものの表情を活かした「素の仕上げ」になっています。キッチンカウンターの隣には、何やら小屋のようなものが置かれています。三角屋根には正方形の穴が開いていて、立ち上がれば頭が出ます。ここは寝室や子供部屋やホビールーム、またはキッチンから穴を抜けて出入りするダイニングなど、いろんな使い方を喚起させてくれる入れ子空間です。
◆建築データと建築家プロフィール