「お墓がない」「残された人の負担を軽減したい」「死んだら大自然に還りたい」などの理由から、海への散骨を希望する人が増えています。1991年に「葬送のための祭祀として節度をもって行われるかぎり遺骨遺棄罪には該当しない」と当時の厚生省および法務省により発表されて以降、事実上散骨が認められ、日本でも多くの著名人が散骨しています。

散骨の手順

90年代後半になると、散骨を専門に扱う業者が多数出てきます。それぞれの業者は概ね次のような流れで散骨を行っています。

  1. 遺骨を粉末状に砕く
    散骨をする際には遺骨を粉末状にします。遺骨の粉砕は個人で行うこともできますが、業者に頼めば粉末化してくれます。粉末化したあとは水溶性の紙に包んでおくとよいでしょう。遺灰が飛び散ることもなくそのまま海へ散骨できます。
     
  2. 散骨場所まで船で移動
    散骨業者が実施する散骨船の場合は、「海岸から○km沖合いにまく」と社内でガイドラインを設定しているところが多いようです。
     
  3. 散骨の実施
    紙に包んだ遺骨を海へ撒きます。その際、故人が好きだった音楽を流したり、しばらくその場に船を止めて献杯するケースもあります。
     
  4. 下船
    下船の際、散骨証明書を発行する業者もあります(埋葬許可証や分骨証明書と違って、公的な書類ではありません)。

散骨の注意

散骨の注意

散骨をする際は、故人と遺族の意思を確認しておきましょう。親戚の同意を得ることも大切です

散骨は業者に依頼せず、個人で行っても「節度をもって」行えば法律で罰せられることはありませんが、モノが遺骨だけに好き勝手な場所に散骨してしまうといらぬ疑いをかけられかねません。「節度をもって」行うためには、次のような配慮が必要でしょう。

  1. 遺骨は原型をとどめることなく粉末状に砕く
  2. 散骨場所は他人に迷惑がかからない場所にまく
  3. その他諸問題が生じないように注意する

例えば、多くの人で賑う海水浴場や、海産物の養殖場などで散骨することはマナー違反。海だけでなく、山や森などに遺骨を巻くときも同様、三ヶ条を念頭に行ってください。また、ドラマや映画では海へ花束を投げるシーンがありますが、実際にはリボンやセロファンなどははずし、花びらだけを撒くなど自然に配慮する必要があります。