その中で、土地活用が非常に困難になるケースがある。
それは土地が共有名義の場合である。
特に兄弟姉妹同士の共有名義の場合には、土地活用は極めて困難になる。
今回は共有名義での有効活用が困難になる理由とその対応策についてお話しよう。
共有名義が土地活用を妨げる理由とは?
共有名義の場合で土地活用がなかなか進まないという理由は、ズバリ「多額の借り入れ」をしなければならないというのがあるからだ。例えば、アパート・マンションで土地の有効活用を図るといった場合には建築資金を借り入れて開発を行うのが通常である。
当然のことながら建築資金の調達には有効利用を図ろうとする敷地を借り入れ資金の担保として提供する必要がある。
仮にあなたが長男だったとして考えてもらいたい。
これから有効活用を図ろうとする土地が、あなたの他に妹と弟との3人の共有名義になっているとしよう。
共有名義とは、それぞれの持分比率で所有権登記がされているということである。(例:あなた1/3、妹1/3、弟1/3)
もし、アパート・マンションでの土地活用に関して、共有者である兄弟に対してあなたが十分な説明をしていなければ、開発がスムーズに進むことはない。
なぜなら、このような共有名義になっている場合、その土地に担保が設定されるということは、共有名義人である兄弟全員が連帯保証人になってしまうからである。
仮に、あなた本人だけがすべての責任をおってアパート・マンションを建築するとして借り入れ自体もあなたの名義にするとしても、土地の担保は兄弟の持分にまで及ぶことになってしまうのである。
有効活用には賛成しても、借り入れという「リスク」は負わずに、「リターン」という恩恵だけは受けたいというのが普通の人の考えである。
だから共有名義での土地活用はなかなか進んでいかないのである。
折角土地活用に適した土地を所有していても共有名義になっている限り、有効活用が具体化するのには相当の時間がかかるというのが私の意見である。