減価償却が100%可能に! |
2007年がスタートしましたが、年が明けるとすぐにやってくるもの・・・。そう、それは確定申告ですね。
申告に向けてしっかりと準備されてこられてますか?もしまだ準備不足なようでしたらこの1ヶ月のうちにきっちりと領収書などの整理をしておきましょう。
さて、確定申告する際にぜひおさえておいていただきたいのが、税制改正です。
「税に関することは難しくて・・・。」と考えておられるのでしたら少しお待ちを。
知っているといないのとでは、納税額に大きな違いがでてくる可能性もあるのです。
そこで、今回は昨年12月14日に発表された平成19年度税制改正大綱について解説したいと思います。
2つの大きな税制改正
今回大家さんにとって直接関係してくる税制改正の項目は、2つありました。それは、
1.減価償却が100%可能になる
2.事業用資産の買換え特例が2年間延長になる
という2項目です。
特に、確定申告ということを考えれば、1の減価償却に関する税制改正が直接関係してくることになりますね。
減価償却が100%可能に!
2006年9月27日の記事で簡単に解説させていただきましたが、一言で説明すると、減価償却費というのは、「建物の初期投資を毎年経費として分割したもの」です。
減価償却費を計上することによって実際にはあなたの財布から出ていかないお金を経費にすることが出来るのでしたね。
ところが、現行の税制では、アパートの建築費全体を減価償却することはできません。
具体的には、建物の取得金額の10%を除いた金額(償却限度額という)が減価償却の対象となります。
これは、アパートに限らず、減価償却が必要なもの全てにあてはまります。
今回の税制改正大綱では、償却限度額がなくなり、100%減価償却可能にする、と発表されました。
年間20万円も多く費用計上できる?!
具体例で考えてみましょう
あなたが7,000万円の木造アパート(建物工事費:5,000万円、設備工事費:2,000万円)を新築したとしましょう。
(ここでは説明の簡略化のために、建物本体工事費についてのみの解説とします。)
従来の税制では、減価償却費は、
5,000万円 × 90% ÷ 22年 = 204万円
(※22年:木造アパートの耐用年数)
となり、毎年204万円が経費として認められる金額です。
ところが、税制改正により、償却限度額がなくなると、減価償却費は、
5,000万円 ÷ 22年 = 227万円
となり、毎年23万円、22年間で506万円も多く費用として計上することができるようになるのです。
これは、実質的に減税を受けていることと同じであるといえます。
もちろん既存物件もメリットあり!
もちろん、平成19年3月末日以前に取得した物件についても、今回の税制改正のメリットを受けることができます。
実は、現行の税制でも、耐用年数まで減価償却した後、取得価額の95%までは償却することが可能でした。
ところが、今回の改正により、95%まで減価償却した後に、さらに、5年間で均等償却ができるようになるのです。
ただ、上記の税制改正は、あくまで国会で予算が通った段階で確定となります。
大筋が変わることはありませんが、大家さんはこれからの経済ニュースには注意が必要です。
税制に関するニュースは難しいと避けられがちですが、最低限アパート経営に関するものにだけは気を配るように日頃から心がけておきましょう。