アパートマンション経営/アパート・マンション経営のはじめ方

ご存知でしたか?「住宅金融支援機構」

「住宅金融支援機構」(以下「機構」)は、「住宅金融公庫」が今年の4月1日に独立行政法人として組織改変したものです。今回は、公庫時代との比較を交えながら、新しくなった機構の融資制度の概要をお伝えします。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

新しくなった「住宅金融支援機構」を検証します

こんにちは、もうすぐ6月となり、いよいよ梅雨のシーズンが到来します。

昨年の梅雨は特に長かったため、湿気で建具の調子が悪くなったり、
畳が膨らんでしまうなど、入居者からのクレームが多かったという話を
知り合いの建設会社の方から聞きました。

入居者からのクレームが無いよう、梅雨に備えてしっかりとメンテナンスを
しておきましょうね。

さて、先日、「全国賃貸住宅新聞」(4月16日付)で、
「住宅金融支援機構」に関する記事が掲載されました。

この「住宅金融支援機構」(以下「機構」)は、「住宅金融公庫」が
今年の4月1日に独立行政法人として組織改変したものです。
URL http://www.jhf.go.jp/index.html

この記事をご覧になった方も多いと思いますが、
独立行政法人化に伴って、賃貸住宅に対する融資制度も大きく変更されました。

そこで、今回は、公庫時代との比較を交えながら、新しくなった機構の
融資制度の概要をお伝えします。

融資対象要件の緩和


今回の組織改変に伴う変更点で是非覚えていただきたいのは、
大きく分けると3点あります。

1点目は「融資対象要件」の緩和です。
公庫時代には対象外であった物件でも融資を受けることが可能になりました。

比較的小規模な土地を使ってワンルームマンションを建てようとする場合
であっても、機構を融資打診先として活用できる可能性が高くなりました。
なお、公庫時代との主な変更点は以下のとおりです。

「戸当り床面積」 50~125平米 → 25平米~
「敷地面積」      500平米 → 165平米~
「建物延床面積」    500平米 → 200平米~

「戸当り床面積」は、原則50~125平米とされていましたが、
機構では「バリアフリー基準」などの条件を満たせば、
戸当り25平米から融資可能となりました。
これにより、ワンルームマンションなど、単身世帯向けの賃貸住宅でも
融資を受けることが可能になります。

また、「敷地面積」「建物延床面積」ともに、500平米を超える物件についてのみ融資対象であったのですが、上記のとおり
比較的小規模な物件であっても融資の対象になりました。

いままで、公庫からの融資を諦めていた方でも、融資を
受けられるかも知れません。是非検討してみてください。

融資条件の変更


2点目は、融資条件の変更です。
まずは、何と言っても「融資率」(融資上限額)の変更です。

従来は実質的に建築費の8割程度までしか融資を受けられなかったのですが、新融資制度に変わってから、対象事業費の100%を
受けられるようになりました。

※この「融資上限額」については、注意が必要なので項を改めて解説します。

また、従来は融資を受ける際に必要であった「融資手数料」が不要になりました。
以前は、10戸以上50戸未満の規模であれば、約36万円が必要でしたが、
新制度になってからは廃止となりました。

全体から見れば小さい金額ですが、ちょっとウレシイ変更ですよね!!

賃貸規制等の撤廃


そして3点目は、「賃貸規制の撤廃」です。
従来、オーナーが縛られていた規制が無くなり、オーナーの意向で
柔軟にアパ・マン経営ができるようになりました。

今回廃止された規制は以下のとおりです。
・ 敷金・礼金規制
・ 家賃上限規制
・ 入居者の公募
・ 法人契約不可

いずれも、大家さんのアパ・マン経営を窮屈にする規制ばかりでしたが、
組織改変と、融資制度の変更により、大幅に自由度が増してきます。

なお、国土交通省推奨「賃貸住宅標準契約書」の準拠、及び
「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の遵守は引き続き
規制の対象となりますのでご注意ください。


是非一度細かく調べてみることをお勧めしますよ!

「住宅金融支援機構ホームページ」
URL http://www.jhf.go.jp/index.html

さて、次回は、組織改変した住宅金融支援機構が
本当に大家さんにとって使い勝手の良い金融機関なのか、
そのメリットを整理し、他の金融機関と比較しながら検証します!!
是非楽しみにしていてくださいね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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