アパートマンション経営

マナー違反のルームシェアにご用心!

友人同士、もしくは全く見知らぬ人同士がお部屋を共有して使う「ルームシェア」というライフスタイルが急速に賃貸市場に広まっています。しかしながら、しっかりとルール作りをしておく必要があります。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

マナー違反のルームシェアにご用心!

「A号室の入居者さん、いつも違った人がでてくるのだけど大丈夫?」

先日、当社管理物件でいつもお掃除をお願いしているYさんからこのような通報がありました。話を聞いてみると、どうやら、入居者さんがころころ入れ替わっているのでは?というのです。

このお部屋、中古物件を購入されたオーナーさんの依頼を受けて管理させていただいているのですが、当初から、友人2人での賃貸借契約ということになっていました。いわゆる「ルームシェア」というものです。

友人同士、もしくは全く見知らぬ人同士がお部屋を共有して使う「ルームシェア」というライフスタイルが急速に賃貸市場に広まっています。しかしながら、しっかりとルール作りをしておかないとこのような問題が起こってしまいます。

そこで今回は「ルームシェア」入居にあたっての注意事項についてお話したいと思います。

無断で入居者が入れ替わる?


賃借人には、入居人員に変更がある場合、必ず賃貸人に対して報告しなければならない義務があります。例えば、「子供が生まれる」「結婚した」などが分りやすい例でしょう。当然、ルームシェアの場合でも同じです。

仮にAさんとBさんとがお部屋を一緒に借りていて、都合により、Bさんだけが退去する場合、AさんとBさんは賃貸人に対して、その旨を報告しなければなりません。まして、Bさんとは別のCさんが入居する、ということであればなおさらです。

今回Yさんから通報を受けたお部屋では、もともとお二人で入居されていたのですが、一方が引越しした後、別の友達を無断で入居させていた、というケースでした。

しかも、一回ではなく、複数回!契約違反この上なしです。

もし火事でも起きたらどうするの?


入居時には火災保険加入を義務とするのが一般的です。しかし、例え保険に加入していても、無断で入居者が入れ替わっている場合には、万が一の場合にも保障を受けることができません。保険会社は無断入替には相当厳しいと思っていた方がよいでしょう。火事や水漏れで何百万円もの損害がでているのに、入居者はお金を払えず、オーナーは泣き寝入り・・・といったことにもなりかねないのです。

契約書に記載するだけでは弱い!


ルームシェアでの入居を受け入れる場合、契約書には、当然、

・入居者の無断入替え禁止
・仮に入居者の変更がある場合、再審査が必要
・火災保険には各個人が加入

といった特約条項をいれるのが通常です。ですが、契約書にこれらを記載するだけではなく、面前で入居に関する最低限のマナーを伝えることが大切です。

・火災保険は何のために加入するのか?
・契約書に記載あることに違反してはいけないこと

などをうまく話さなければなりません。

オーナーにとっては空室対策の一つとして、また、入居者にとっては手軽で節約にもなるライフスタイルとして広まりつつあるルームシェア。しかし、まだまだ入居に関わるルール作りがずさんな物件がほとんどです。

一度あなたの物件でも、入居者の状況を確認してみることをおすすめいたします。

・入居人員に変更はないか?
・火災保険にはしっかり加入しているか?更新もれはないか?

これらについて定期的に確認することが、ひいてはあなた自身を守ることにもなるのです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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