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リフォームにリースを活用してみよう!

建物のリフォームにリースを使う方法はあまりまだ普及していないのですが、実はうまく使えば、あなたにとって強力な味方になる可能性があります。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

リフォームにリースを活用してみよう!

「長期入居してくれていた方が退去したので部屋を確認してみたところ、設備が相当古く、また痛んでいる。3点ユニットバスやキッチンを新しくしたら工事費だけで100万円はかかってしまいそう・・・。」

ある程度築年数が古くなった物件をお持ちの方なら一度は経験されたことかもしれませんね。もちろん、できることなら大きなリフォームなどせず、そのままの設備でお金のかからない空室対策をとっていくのが大切です。

しかし、近隣物件に対して最低限の競争力を持たせておかないと、家賃を下げるしか方法がなくなる場合もあります。また、何ヶ月も空室の状態にしておくよりは、古い設備を思い切ってリフォームし、早く部屋をうめてしまうことも考えておかねばなりません。

「でも、100万円規模のリフォームなんて、費用的にすぐには準備できないよ・・・。」

というのでしたら、「リース」を使ってみるというのはいかがでしょうか。建物のリフォームにリースを使う方法はあまりまだ普及していないのですが、実はうまく使えば、あなたにとって強力な味方になる可能性があります。

そこで今回はリフォームにリースを使う方法をご紹介していきましょう。

リースとは?


「ん?リフォームにリースを使うっていうけど、例えば車みたいにリフォーム代がリース契約できるっていうこと?」

例えば、車をリース契約する場合、まずは車を選び、その車をあなたの代わりにリース会社が購入します。リース契約というのは、この車をリース会社から一定期間、リース料を支払いながら借り受けるという賃貸借契約のことです。

基本的に中途解約不可で、リース期間中に車体価額、金利・税金・保険料等を含めた全ての代金を定額で毎月支払うものが一般的です。

実はこの車のリースと同じ仕組みを建物のリフォームにも使うことができるのです。

リースと借入れ、どっちがお得?


例えば、ユニットバスとキッチンの取替え工事が60万円かかるとしましょう。(ここでは簡略化のために、施工費は考えず、部材価格のみとします。)このリフォームをリースでおこなった場合を考えてみます。

リース期間が5年、リース料が毎月1.1万円とすると、支払いリース料総額は66万円となります。これは、60万円を、金利3.5%、期間5年で借り入れた場合の返済総額とほぼ同じ金額です。

「それでは、わざわざリースなんて小難しいことをしなくても、はじめからローンを組んでリフォームすればいいだけじゃないの?」

いえいえ、ローンを組むのとはまた違ったメリットがリース契約にはあるのです。

リース契約のメリットとは?


リース契約にすることのメリットには、下記のようなものがあります。

・リース料が全額経費計上できる!
借入れでリフォームを行う場合、元金返済部分は経費とすることはできません。しかし、リース料は全額経費計上することが認められており、節税効果が高いといえます。

また、リース料は固定で変動がありませんので、借入のように金利上昇のデメリットを被る可能性もありません。その結果、資金計画をたてやすくなるというメリットが得られます。

・リース審査が2、3日で完了し、審査基準が低いので、実行に移しやすい!

通常借入れを行う場合、どんなに早くても銀行審査は10日前後はかかってしまうものです。ところが、リース審査は、わずか2、3日で完了してしまうのが一般的です。しかも、ローン審査に比べれば、審査基準が甘いといわれています。昨今、ローン審査が厳しくなっているだけに、審査が通りやすいというのはかなりのメリットです。

また、銀行から借り入れる場合はほとんどのケースで担保が必要になってきます。ところがリースの場合、無担保でも審査が通りますので、これは大きなメリットといえます。

・リフォーム代金全額のリースも可能!

リフォーム借入れを行う場合、通常銀行側は、リフォーム金額の80~90%まで、といった制限を作っています。リフォーム代にはリフォーム会社の手間賃や経費などが10~20%含まれていますが、この部分には資産価値がないものとみなされ、融資対象とはならないのです。

ところが、リースはリフォーム代全額が対象となるため、場合によっては頭金が全くなくてもリフォームが可能になる場合さえあるのです。

・リース料の中には、金利分だけでなく、火災保険料や税金も含まれる!
リフォームで物件の価値があがってしまうと、当然、固定資産税も高くなってしまいます。しかし、リース料には税金部分も含まれているのです。さらに、火災保険料も含まれているため、たとえ融資金利よりもリース料が高かったとしても、総合的に考えてみれば結果としてリースの方がお得、という場合もあります。

さらに、メンテナンスフリーになるような特約もありますので、場合によってはリース期間中、修理費用が全くかからない、ということもありえます。


自己資金でリフォームするのか、それとも、ローンを受けるのか、はたまたリースを使うのか。それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、あなたにとって最適な方法を選択しなければなりません。

リースという手法は、うまく使えばリフォームする際の強力な武器になる可能性があります。もし直近で大きなリフォームを考えておられる、というのでしたら一度リースという選択肢も検討されてみることをおすすめいたします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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