費用が高くつく上に仕上がりが汚い!?継ぎ足しリフォームの罠
思いつくままリフォームを重ねていってしまうと、次のリフォームを諦めざるを得ないことも。
例えば、「洗面所の床が腐ったのでリフォームをした」「次にキッチンとダイニングの床が傷んだのでリフォームした」「それから3年後、とうとう廊下の床も傷んだので張替えたら、洗面やキッチンと微量な段差ができてしまった!?しかも費用が高くついた!」というようなケースです。
リフォームは全てが一気に新しくなる新築とは違い、部分的に壊して作り直す工事です。隣の部屋との絡みや工事の全体を考えず、その場その場の状況に合わせて思いつくままリフォームをしていくと、同じところを何度もやり直すことになってムダな費用が掛かったり、仕上がりが汚くなったり、トータルでのバランスが悪くなったりということが起きやすくなるのです。
このような状況を私は「継ぎ足しリフォーム」と呼んでいます。まずはガイドYuuが実際に遭遇した継ぎ足しリフォームでの失敗事例をご紹介します。
継ぎ足しリフォーム失敗事例-1
ムダになってしまった新しい風呂釜
浴室リフォームでは、給排水管、給湯管、外壁、洗面所との絡みがあることを忘れずに。
その2年後、キッチンのコンロの具合が悪くなり、もう18年も使って古くなったきたので、キッチンセットの交換リフォームをすることにした。
その際、水まわりはまとめて工事をしたほうが費用が安くできると知り、浴室・洗面所・トイレも一緒にリフォームすることにした。
水まわりのリフォームでは、全自動の追い炊き付き給湯器を1台設置すれば、キッチンや洗面所、浴室のシャワーへの給湯と追い炊きも全てまかなえ、しかも省エネに暮らすことができる。しかし、給湯器を選ぶ段階で困ったのが、2年前に付けたばかりの新しい風呂釜の存在だった。
悩んだ結果、風呂釜は廃棄処分として新しい給湯器を取り付けることになった。全体のリフォーム費用からすれば、たいした金額ではないのだが、ムダな出費をしてしまったと後悔している。
継ぎ足しリフォーム失敗事例-2
どの工事方法を選んでも悔いが残る床
床の高さを変えるリフォームは上げるのは比較的簡単、下げるのは大変。
しかし翌年、今度は廊下の床の一部がふわふわとたわむようになってきた。そこで、フローリングのリフォームを行おうと思ったのだが、費用が安い重ね張りリフォームをすると、廊下より洗面所の床が少し低くなって、段差ができてしまう。
この段差を完全に無くすためには、洗面所の床を上げるか、廊下の床を全てはがして新しく張り替えるか、どちらかの工事が必要になるのだが、どう考えても昨年に工事したばかりの洗面所の床をもう一度工事するほうが安い。しかしそうなると、また洗面台を外す必要があるし、上に敷いた仕上げ材も全てやり直しになる。
結局どちらも選びきれず、床の高さは違うまま、洗面所と廊下の間にスロープ材を入れて段差を解消することにしたが、せっかくリフォームしたのに見た目はイマイチ。廊下から洗面所へ掃除機を移動させるたびにガタガタ音がするなど、洗面所リフォームの時にもっとよく考えてやればよかったと後悔している。
次のページでは、継ぎ足しリフォームで家がツギハギになる?失敗を防ぐリフォーム計画の立て方をご紹介します。