住宅設計・間取り/収納プラン

天袋問題を解決!死蔵品ゼロ収納をつくる

天袋には何をしまっている?すぐに思い浮かばなくても、記憶のせいではありません。それは、収納のつくり方の問題です。押入れの落とし穴に気が付けば即解決!

すはら ひろこ

執筆者:すはら ひろこ

収納ガイド

天袋のような高い位置にある収納には、使用頻度の低い持ち物をしまうのが常識。ところが、しまったまま忘れてしまうケースが多く、死蔵品の宝庫になりがち。仕方がないと諦めるその前に、収納スタイルを少し変えるだけで簡単に解決できます。

天袋が収納として機能しない理由

床面に地袋というのがある。座布団をしまうことが多い。
押し入れには天袋がつきものと思っていませんか? その天袋が使いにくい理由は、高さが僅か40センチ程度なのに、奥行きは80センチほどの深い収納だからです。

多くの場合は、深い奥行きを使って前後2列に収納することで、空間を無駄なく使って容量を使いきろうとします。その結果、奥にしまったモノは確実に死蔵されることに。天袋というのは、そういう収納なのです。かつては、天袋に節句や正月用品、床の間を飾る調度品などを収納していたかもしれませんが、季節に合わせて室礼を変える習慣が薄れた今では、天袋を使いこなせなくなっています。

収納のつくりとして、高さに対して奥行きの深い収納というのは、特殊なプロポーションと言えます。家庭で使われている持ち物のなかで、奥行きを必要とするのは敷布団やマットレスを収納するときくらいですが、天袋では不便です。そして、ふだん頻繁に使用する押し入れと切り離された収納になっていることが、大きな問題です。

床から天井まで見えるから忘れない

天袋を日常の収納として使えるつくりにするには、押し入れと一体化させることにあります。その方法はいたって単純で、クローゼットのように、扉の高さを床から天井までにすればよいのです。
扉の形式は開き扉、引き違い戸、折り戸がある。
奥行きは布団がしまえる深さがあるとしても、扉を開ければ全てが見渡せるつくりになっていれば、何処に何があるか分かります。さらに、収納内部が一つの空間になっているので、棚の奥行きと高さを自在に決定することが可能。これならば、従来の天袋にあたる位置は棚の奥行きを浅くして、収納物を1列で収まるようにできます。また、押し入れを上下に仕切る中段の高さも、収納物に合わせて設定できれば、押し入れ用の収納ケースを活用しやすくなります。

押し入れという従来型のつくりを見直して、クローゼットのような収納スタイルに改良すれば、もっと使いやすくなるはず。リフォームや新築の際に、新しいスタイルを取り入れてみては如何でしょう。

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押入れを他の用途に転用することができます。【収納プラン】
収納扉は金物選びがキメテ。【収納プラン】
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