住宅展示場・モデルハウス/住宅展示場・モデルハウスの見方

住宅記者が教える住宅展示場の活用法(上)(2ページ目)

秋はハウスメーカーにとって大切な商戦の時期。「今が買い時」と思って、住宅展示場に足を運ばれている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は展示場の活用法。住宅記者の手法を公開します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

まず、大切なのが前ページでご紹介したような展示場の役割を理解していただくこと。住まいづくりを漠然と考えている方には、あまり親切ではないことを何となくでもわかっていてください。

住まいづくりの知識取得は積み重ねが大切

一度、住宅展示場に行けば住まいづくりの疑問が解消できるわけではなく、何度も展示場に通ったり、複数のモデルハウスに入って営業担当者と話をする、そうした積み重ねによって、少しずつ理解が深まるものと考えておくべきでしょう。

住まいづくりの疑問点というのは、段階が進んでは何度も生まれ、解消されたと思ったらまた生まれる、そんなものなのです。相談会では、ハウスメーカーと契約したり着工した後でも「わからないことがある」と問い合わせにいらっしゃる方さえいるんですよ。

DSパネル
各モデルハウスには、工法や性能を説明する様々なツールが用意されており、それで大まかな特徴を知ることができる。写真は三井ホームの「DSパネル」
話を元に戻すと、住宅展示場をうまく利用するためには、見るべきポイントをしっかりと抑えるということが必要になると思います。工法の特徴や仕様、設備機器といったわかりやすい部分の説明をしっかり受けること。次に間取りや動線の工夫についてもチェックするなどということがあるでしょう。

ただ、漠然とそれらを見て回ると、最終的に何が良くて何が悪いのかわからないで終わってしまうもの。「まぁ素敵」で展示場を後にするのはあまり賢いことだとは思いませんし、後々、混乱するだけです。

ではどうするべきか。テーマをもって複数回展示場を見て回るのが、私のお薦めするやり方です。最初は工法や性能といった基本事項、次は間取りと動線、その次は自然を生かした取り組みやエコに関する考え方、さらにその次はインテリアだけ…という風に。営業担当者の接客態度という視点もあっていいでしょう。

漠然と見るのではなく目的意識を持つ

例えば、外観だけをとっても展示場には様々なデザインのものがあります。「じゃあ、なぜこんなデザインになっているの?」という視点を持っておくと、皆さんの住まいづくりに大いに役立つはずです。漠然と見ないということは大切なことなのです。

コンラン
住宅展示場はインテリア事例の宝庫。各モデルハウスで様々なテイストが採用されている。写真は、ザ・コンランショップとのコラボによるセキスイハイム西新宿展示場
基本として、住宅展示場のモデルハウスは規模が大きく豪華すぎるもの。それが「住宅展示場は参考にならない」と私たちに思えてしまう原因なのですが、逆に言うと、色んな要素が詰め込まれているわけですから、一つひとつの要素を取り出して参考にすればいいのです。

例えばインテリア。住宅展示場はよく考えるとインテリア事例の宝庫です。モデルハウスごとに異なりますし、同じ建物でも異なるテイストが採用されている場合もあります。インテリアに限りませんが、「これはいいなぁ」と思ったものを、写真に収めたりメモしておいて後で比較検討してみるのもいいかもしれません。

実はこれらの手法は、住宅記者として私が採り入れているものです。漠然とモデルハウスを見て回るのではなく、より問題意識を持って観察することが狙いです。皆さんも良かったらやってみてください。

住宅展示場という場所の最大のメリットは、比較検討ができるところです。次回は活用法についてもっと深く探っていきたいと思います。
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