最近、私は住宅展示場で「相談員」という仕事をやるようになりました。展示場のセンタハウスに設けられた席にちんまりと座り、ご希望される方からの住まいづくりに関する問い合わせを受けて、わかる範囲でお答えするというもの。いわゆる個別相談会というやつです。そこで、今回はいい機会ですのでその舞台、住宅展示場の活用法について考えてみたいと思います。

実は建て替えメインの住宅展示場

これから住まいづくりを検討しようという方にとって住宅展示場を訪れることが、本当にいいことなのかと、時々思います。どうしてかというと、現在の住まいニーズとのミスマッチ、ギャップが随分あるからです。

来場者
今まさにモデルハウスに入ろうとする親子連れ。モデルハウス見学が良い住まいづくりの第一歩となるため、目的意識を持って臨みたい
今現在、住宅ニーズの主役となっているのは、土地と建物を同時に求める人たちです。今、これを読んでいただいている方にも、きっとそういう方が多いのではないでしょうか。例えば、相談会での問い合わせの多くが、「土地探し」に関するものでした。しかし、そのニーズに住宅展示場はなかなか応えられていないようです。

住宅展示場のモデルハウスは基本的に建て替えを想定しているのです。建て替えとは、今ある建物を壊して新築することをいいます。モデルハウスを見て「大きくて豪華すぎる」と感じられる方も多いと思いますが、それは土地代を必要としない建て替えのニーズに対応しているからです(それにしても大きすぎるという指摘もありますが…)。

因みにハウスメーカーにとってのモデルハウスは営業拠点としての役割もあり、例えば営業所の5キロ圏内だったり、10キロ圏内の住まいニーズを想定して建ててあります。つまり、周辺が住宅密集地だったら3階建て、郊外だったら2階建てと、その地域の住宅事情に適した建物が建ててあるというわけですね。

住宅購入の初期段階の人には不親切?

もっとも、展示場内もしくはモデルハウス内には土地情報も用意されているケースも多いものです。しかしそれはそれぞれのハウスメーカーで建てることを想定したもの。「どんな土地を選んだらいいのか?」などといった本当に基本的な情報の提供は少ないといわざるをえません。

土地情報
住宅展示場でも土地情報を取得することはできる。ただし、「どんな土地が良いのか」といった基本的な必ずしも情報を得られるというわけではない
まだハウスメーカーを決定する以前の、分譲住宅や中古住宅、マンションを含めた漠然とした住まいづくり・取得のイメージしかお持ちでない方にとっては、多くの場合、展示場という場所から得られる情報は、不満足に感じられることが多いかもしれませんね。

他に多かったのが「資金計画」や「住宅ローン」でしたが、これらも同様だと思います。そもそも、「何をどう見ていいかのか、ということがわからない」と相談される方もいらっしゃいましたが、こうした疑問にも展示場は適切な回答を示してくれることは少ないでしょう。

ここまでは住宅展示場に関するマイナス面について書いてみました。次のページでは、ではどうすれば住宅展示場を有効に効果的に活用できるのか、プラスの面を考えてみたいと思います。