住宅工法/耐震住宅・住宅工法

工法・構造からみる住まいづくりのポイント(2ページ目)

今回のテーマは「工法・構造」。木造軸組、ツーバイフォー、プレハブなどと、様々な種類がありますが、どれを選択するのがベストなのか大変気になるところですが、ここで一度、現状を整理してみたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

冒頭にも書きましたように、それぞれの工法の個別の特徴についてはここでは省きます。因みに代表的な工法の特徴は以下でも確認できます。

【木造軸組工法】
【ツーバイフォー工法】
【プレハブ工法】

狭小・変形敷地への対応力に差

狭小・変形敷地
狭小かつ変形な敷地の事例。こういった敷地にプレハブ住宅を建てるのは大変難しい。というか、住宅そのものを建ててはいけない気がする
ここで申し上げておきたいのは、「工法には向き不向きがある」ということです。一番わかりやすい事例がプレハブ工法。工場生産が前提ですので、極端な狭小敷地や変形敷地における敷地の有効利用については、あまり向かない工法と考えられます。これらの敷地については木造軸組やツーバイフォーの方が小回りが利くように私は感じています。

プレハブ工法のハウスメーカーは元々、高度経済成長時代の住宅大量供給、例えばニュータウン開発(一例として多摩ニュータウンなど)の中で発展してきました。このようなエリアでは住宅建築に関する制約が少ないことからプレハブ工法の建物で対応できたのです。しかしながら、狭小敷地であったり、変形敷地を有効利用したいというニーズにはどちらかというと対応が難しいのが実状です。

もっとも、これまでは都市部の防火地域における耐火性能の点で、プレハブ住宅(特に鉄骨系やコンクリート系)は他とは大きな優位点を有していました。それが街中でもプレハブ住宅をよく見かける理由の一つ。また、こうした地域における比較的規模が大きな3階建て、中でも賃貸併用や店舗併用といったニーズにうまく応えてきたのもプレハブ住宅の特徴としてありました。

木造住宅も防火地域に対応可能に!

都市型住宅展示場
都市型モデルハウスが並ぶ展示場。外観からはわかりづらいが、この中には鉄骨系と木造住宅が混在している。工法で差がわかりづらくなった象徴的光景だ
しかしながら、近年は木造軸組工法もツーバイフォー工法も耐火構造としての国土交通大臣認定を取得しており、防火地域における建設や4階建て以上の建設も行えるようになってきました。つまり、理論上は工法を問わずどこでも建物が建てられるというわけです。

とはいうものの、木造軸組・ツーバイフォーで防火地域で建築する場合、プレハブ住宅と比較してコスト的に有利かどうかは判断が付きかねますので、その点はどうかご留意ください。また、プレハブ住宅であっても、少なくとも狭小敷地への対応力は随分と高まってきていることも付け加えておきます。

さて、次のページでは少し視点を変えて工法・構造について考えてみます。
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