どのような工法でも一定水準を確保
一つは既に様々な方(住まいガイドの方も含めて)が詳しく書いているので、いまさらという感じがするためです。工法の違いを詳しく書いても、逆に独自性を失いかねないこともあります(怠慢の言い訳に過ぎませんね…)。二つ目は、もう工法や構造で明らかに性能が異なるという状況ではなくなったということがあります。世の中は長期優良住宅の時代。耐震性や耐久性、省エネ性などといった基本性能については、どのハウスメーカー、工法でもある一定水準に考えていいかもしれない |
だから、私としては工法・構造は喫緊のテーマとは感じられなかったのです。ただし、これからもう少し踏み込んだ内容を書いていくに当たって、どうしても避けて通れないテーマですので、ここで少し私なりの見解をご紹介したいと思います。
工法の多さが住まいづくりのネック?
わが国の戸建て住宅の工法には大きく、木造軸組(在来)工法、ツーバイフォー工法、プレハブ工法(鉄骨系・木質系・コンクリート系)があります。さらにこのほかに、スチールハウス(鋼材を使用したツーバイフォー工法のようなもの)、ログハウス(丸太組)工法などもあります。アメリカでは、戸建て住宅についてはほぼツーバイフォー工法のみで建てられている。だから、日本のように「どの工法がいいのか」なんて悩みはないようだ(写真提供=住宅産業新聞社) |
もっともこのような工法や構造が乱立する背景には、戦後の住宅難に伴う混乱やその後の大量供給の必要性、地震が多いお国柄など、わが国固有の特殊事情があります。ですから、海外の事例と容易に比較できないという側面がありそうです。
では、次のページでは工法・構造について、具体的に解説したいと思います。