空間提案にもUDの要素が普及
大和ハウス「xevoエディ」のモデルハウス。半透明の引き戸を採用することで、スペースの可変性だけでなく採光にも配慮している |
最近は、こうした住まい手のニーズの変化や、ストック住宅として購入したユーザーにとっても使い勝手がいいように、できるだけオープンな間取りとするように工夫が行われています。オープンで可変性があることで、様々な住まいニーズに対応しやすいからです。
空間を有効活用できる「引き戸」
オープンな間取りとするのに有効なのが「引き戸」。ドアと壁で空間を仕切るのに比べて、引き戸は間仕切りと開放の二つの機能があります。これにより、フレキシブルな空間活用が可能となり、これもUDの方向性と合致するのです。ドアよりも空間を有効活用できるのも特徴です。引き戸は空間の有効利用に最適。写真の引き戸は取っ手の部分を収納できる工夫が特徴的 |
このようにUDには、誰にでも使いやすく安全であるということのほかに、長く住まい続けられるという点で、長期優良住宅の方向性とも大変相性がいいのです。ただ、UDと空間提案、さらには長期優良住宅を関連づけているハウスメーカーはまだ数が少ないのが現実です。
UDはハウスメーカーの「良心」の尺度
UDは一つひとつをみると大変地味な世界なのですが、それによりどれだけ作り込まれているかを把握する良いバロメーターになると、私は見ています。今現在の住宅市場をみると、価格の安い高いに関わらず猫も杓子も長期優良住宅をアピールしていて、違いがわかりづらくなっています。LDKから外のウッドデッキにつながるサッシ部分にまでバリアフリーを徹底した事例 |
何よりUDの考え方を学ぶことによって、住まいに関する見識が格段に深まり、楽しさが倍増します。このガイドサイトの目的の一つは、「良い住まい」についての皆さんなりの価値観をもっていただくこと。UDに注目することはその助けになるはずです。