ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[工法・耐震・デザイン]

誕生から50年が経過 プレハブ住宅

「工法研究シリーズ」の第一弾として、プレハブ住宅を取り上げます。既に誕生から50年の歴史があり、戦後の住まいづくりをリードしてきました。今回はその特徴を紹介したいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

皆さん、明けましておめでとうございます。さて2010年、最初の記事は「プレハブ住宅」に関するもの。実はプレハブ住宅は、誕生から50年が経過しました。切りがいいということもありますし、戦後の住宅の進歩をリードしてきた存在であることも間違いないですから、これを機会に少し勉強してみましょう。工法やその歴史を振り返ってみるのも、ハウスメーカー選びの参考になると思います。

元祖は「子ども部屋」だった!

プレハブ住宅の元祖は、1959年10月に大和ハウス工業が発売した「ミゼットハウス」です。まあ、本格的に普及し始めたのはその翌年の1960年からでしょうから、今年で誕生から丸50年といっても大丈夫ではないでしょうか。

いわゆる「離れ」、中でも「子どもの勉強部屋」として開発されたものです。「坪当り単価が木造と同じで、面積は建築申請が不要な10平方メートル以下、工事は3時間以内」というコンセプトで開発され、構造材には軽量鉄骨が使用されていました。

販売手法は、デパートで展示即売。当時の教育ブームにのって大きな反響を得たとのことです。「ミゼットハウス」が革新的だったのは、これにより住宅が「請負」ではなく「商品」となったことです。また、現在の住宅展示場を活用した販売スタイルの走りとなりました。

ミゼットハウス
プレハブ住宅の元祖「ミゼットハウス」の実物。「子ども部屋」として販売当時、大きな人気を集めた(写真は大和ハウス工業総合技術研究所)
その後、ミゼットハウスに台所やトイレといった住宅設備が取り付けられるようになり、「離れ」からいよいよ本格的な「住まい」として進化していくようになります。また、他社も参入することで構造も多彩に。鉄骨系だけでなく、木質系、コンクリート系と現在あるスタイルになってきました。また、ユニット工法(箱を並べるような工法)も登場するようになりました。

プレハブは工業化という意味

ところで、「プレハブ」というと、「プレハブ校舎」や「プレハブ事務所」を想像される方も多いのではないでしょうか。昭和30~50年代の方にはプレハブ校舎で学ばれた経験がある方も多いと思います。私もプレハブ校舎を経験しました。だからプレハブという言葉に、あまり良いイメージがないという方もいらっしゃるでしょう。

大和ハウスに限らずプレハブ住宅のハウスメーカーは、例外なく工場生産施設を有しているのが特徴です。プレハブとは「prefabricate」(前もって製造する)の略で、「工業化」という意味があります。要するにプレハブ住宅=「工業化住宅」という意味。念のために申しておきますが、決して昔のプレハブ校舎のような簡易な建物ではありません。

次のページでは、プレハブ住宅の特徴を具体的にご紹介しましょう。
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