基礎は凍結深度より深く掘る

「最近でこそ年間利用の方が増えていますが、もともと軽井沢は避暑地として有名になったリゾート地ですから、別荘を利用するのは夏場だけ。最低気温がマイナス20度くらいになることもある冬には、軽井沢では過ごさないという人がほとんどだったんですよ」と話してくれたのは、軽井沢で1000棟を超える施工実績を持つ西武建設工事部部長の柳澤洋一さん。

冬に使わないとしても、基礎などは寒冷地仕様にする必要があります。それは、寒冷地では地中の水分が凍り、土が凍結するからです。凍結によって土が膨れ上がり、建物を持ち上げてしまい、建物がゆがんでしまうこともあります。そこで、基礎を支えるフーチング(底盤)を、土が凍る深さよりも下にすることが必要です。

この土が凍る深さが凍結深度と呼ばれ、西武建設が携わる軽井沢の建物では70センチメートル以上掘り下げて施工されています。エリアや標高などによって、この凍結深度は変わってくるので、正確は数字は役場の都市計画課や水道課に問い合わせてみましょう。

給水・給湯は凍結防止対策

給水・給湯の配管は、凍らせないようにすることが大切です。冬場、使わない場合は水を抜いておくこと。この作業は、別荘管理契約を行い、管理事務所のスタッフが行うところもあれば、別荘を使う人が行うのが基本のところもあり、別荘地により異なります。

私の山小屋の場合、いつも夏休みに使ったあと、冬になる前にもう一度行って、水抜きをしていたのですが、その年は夫の転勤などがあり、夏休みに行ったきり。水抜きはしていたのですが、トイレに不凍液を流しこむのを忘れていて、翌年の連休に行ったら、便器が破裂していました。トイレの中に多少の水が残るので、そこに不凍液を入れておかないと凍結して、便器が割れてしまうのです。あのときは、本当に困りました。便器を取り替える修理を頼みましたら、約15万円かかりました。みなさんも気をつけてください。

「最近は凍結防止の方法もあります」と柳澤さんは言います。深夜電力による蓄熱式床暖房の方法で、基礎ピット内に埋込み、それを暖めて凍結を防止するのだそうです。コスト的には、基礎に通常の工事費にプラス70万円~100万円、冬の凍結する時期にはランニングコストとして月に3000円~5000円くらいかかりますが、いつ来てもすぐ使える状態にあるということです。管理事務所に水抜きや水出しを頼むと、その都度1万円くらいかかりますから、それを考えるとランニングコストは高くないといえます。また最近は配管材で凍結しにくい材料も出ているそうです。

「ビルトインタイプの食器洗浄器などは、水が抜けないものもあるので、そういった機器を選ぶと凍結して使えなくなります」ということですから、設備面は購入する際に、地元の業者さんに確認するようにしましょう。

防寒対策として

「室内の暖かさを維持するためには、熱が逃げやすい開口部の断熱を高めることです」と柳澤さん。よく使われるのは高断熱ペアガラスや3重ガラス。アルミサッシはサッシ枠に結露が多いので、断熱アルミサッシや樹脂サッシ、木製サッシも使われるそうです。高気密、高断熱住宅の場合は、換気設備にも配慮が必要になります。

また最近の特徴としては、床暖房が増えてきたそうです。工事費の目安は20畳くらいで70万円くらい。電気、灯油、ガスから選べますが、電気は操作が簡単で便利ですがランニングコストは高め。安いのは灯油でしょうとのこと。床暖房は立ち上がりが遅く、部屋が暖まるまで時間がかかりますから、即効性のあるFFストーブや薪ストーブなどとの併用がいいでしょう。

薪ストーブは熱容量もあり、柔らかい暖かさがあるので人気の設備です。ボヤ騒ぎをおこさないためにも、煙突は2重煙突にしておくと安全ということです。薪ストーブは後からも付けられます。

外壁や屋根について

「外壁については吸水性のある素材は避けたほうがいいですね」と柳澤さん。タイルや陶器を仕上げに使うと磁器質なら大丈夫だが、陶器質や石器質の場合は凍害によりタイルの表面が剥離することがあるそうです。標高などにもよりますが、アクセント的に使う場合など注意したほうがよいでしょう。

別荘で使われる屋根材で、最近人気なのがガルバリウム鋼板。ローコストでデザインや色もいいのでよく使われているそうです。コロニアルは自然な質感が特徴ですが、落ち葉や枯れ枝などが滑り落ちにくく、それが屋根を傷める原因になるようです。また黒色が白っぽくなど、10年くらい経つと色が変わりやすいともいいます。

軽井沢はカラマツが多いエリアですが、カラマツは冬に葉を落とすので、屋根の谷に溜まりやすくなります。落ち葉だけでなく雪も屋根の谷にはたまりやすく、特に北側は融けにくいので雨漏りの原因になることも多いようです。屋根は複雑な形にすると谷が多くなりますから、なるべくシンプルなデザインのほうが良いようです。

ほとんどの別荘に大きなウッドデッキが付いていますが、ウッドデッキは屋根があるか無いかで耐久性が変わります。木製はこまめに塗装をかけることで長持ちしますし、最近はプラスチックを含有した素材や腐りにくいジャラなどの素材も出ています。

工事の流れ

最後に、どういう流れで別荘が出来上がるのかを聞いてみました。西武建設の場合、スケジュールは次のようになります。
1 プランニング(打ち合わせ)
2 図面作成
3 見積もり
4 契約
5 地縄立会い
6 着工
7 工事
8 社内構造検査・社内内装検査
9 竣工
10 社内・施主検査
11 引渡し

スムーズな流れとしては、寒くなるまでに基礎を終え、冬の間は大工工事。暖かくなった仕上げ工事を終え、5月連休に引渡しというケース。
あるいは3月頃に工事を着工して、夏に引渡しという流れです。軽井沢など雪の降るエリアは、冬季には基礎工事ができにくいので、段取りよくスケジュールを組みましょう。そうすることで早く利用できますよ。

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