海外移住を考えるワンステップとして
定員40名を超す参加者で満席となったセミナー会場 |
セミナーはロングステイ財団の講師である花岡幸盛さん。長野県出身で、ご自身も定年になったら外国で暮らそうと計画されており、現役の頃よりオーストラリアのコンドミニアムを借りて、行ったり来たりされていたそうです。結局、オーストラリアへの移住はいろいろ条件が多すぎて(永住ビザは7000万円もする)、断念。代わりに、マレーシアのビザを取得され、いよいよ長期滞在を実現するところまで、たどり着いているといいます。そういったご自分の経験も加えて、いろいろ興味深いセミナーとなりました。
物価が安い国なら、年金の範囲でもゆったり暮らせる?
定年後を海外で暮らしたいと考える人が増えているのは、日本、とりわけ東京での暮らしが年金だけではとても大変というところにあるようです。60歳で定年になり退職金を得ても、住宅ローンの残金を返済すると、年金の出る65歳までの5年間も含めて、生活は大変。そこで、気候も良くて物価も安い海外で暮らすことに注目が集まっているようです。とはいえ、何の情報も持たずに本格的な移住を考えるのはあまりにも危険。まずは、帰国を前提に余暇を目的として、現地の人と交流しながら長期に暮らしてみることから始めませんか、というのが今回のセミナーです。
「ロングステイに踏み切れない理由」は何?
講師である花岡幸盛さんは、マレーシアに長期滞在を決めている |
●言葉がしゃべれない
これは実際に現地に行けば、ひとつずつ覚えることができるので、問題にしなくても大丈夫とのこと
●病気になったらどうしよう
大病の場合は、日本に戻って治療するのが前提です
●家族の世話をしなくちゃいけない
年老いた母を残していけないというケースですが、これは介護費用の安い国を選べば、お母さんを一緒に連れて行くこともできます
●夫婦の意見が合わない
夫は行きたいけど妻は反対、そんな場合もあると思いますが、それはあらかじめ二人の意見をまとめるしかありません
ロングステイ財団の調べでは、夫は妻と一緒にと思う割合が75%なのに、妻は夫と一緒にと思うのは45%。手のかかる夫と一緒より、母や姉、妹、親しい友人と一緒に行きたいと考える人が多いようですから、夫婦でしっかり話し合いが必要ですね。
外国に行くと、知り合いがいないのでいつも夫婦一緒。行動がすべて一緒になります。海外に行って、主人在宅症候群になどなっては困りますから、今まで台所に立つことがなかった夫も食事をつくるようになることは多いようです。
また物価の安い国ならメイドさんを月1万円くらいで雇うこともできますから、メイドさんに家事をやってもらい、奥様の負担を軽くする人もいるようです。ちょっと東京では夢のような暮らしですね。
次のページでは具体的な生活費を紹介します。