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フラット35利用者から学ぶ賢い家づくり(2ページ目)

人気が高まっているフラット35。「平成21年度フラット35の利用者調査報告」から、今、注文住宅を建てている人の家づくりを分析してみました。どんな人たちがどのような家を建て、資金計画はどうしているかなど、昨年のデータと比較しながら、これから建てるときのポイントを考えてみました。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

手持ち資金は2割以上を用意して

調達した資金の内訳は、以下の通りです。

●手持ち資金       602.4万円
●フラット35融資金額  2164.7万円
●その他の資金      122.0万円(民間金融機関や勤務先などから調達)

建設費のほか、諸費用なども含め、家づくりにかかったお金の合計は、
手持ち資金602.4万円+融資合計(2164.7万円+122.0万円)=2889.1万円となります。

手持ち資金の割合が2割以上になることから、無理のない資金計画をしている人が多いことがデータから読み取れます。

月々の返済は10万円弱で、前年より微減

●1カ月当たりの予定返済額 9万9000円

月々の返済については、平成20年度9万9500円よりわずかに減っています。けれども、世帯年収(20年度622.5万円、21年度598.4万円)が前年より大幅に減っているので、返済負担率は21.0%(20年度)から21.8%と大きくなっています。

建設費を抑えて返済を軽くする傾向

このように見てくると、これから注文住宅を建てる人に言えるのは、以下のことです。

●月々の返済額から資金計画を立てる
●無駄を省いて建設費を抑える
●借り入れを少なくして返済負担を小さくする
●低利で固定期間の長いローンを優先する

新築に限ったことではありませんが、いくら借りられるかより、いくらなら返済できるかを念頭に資金計画を立てることが大切です。そのとき、ボーナス返済は極力少なめに。可能なら、月々返済のみでローンを組むことを考えてみましょう。

家のプランニングの際には、豪華な設備は取り入れず、必要なものや耐久性の高いものを厳選して、建設費を抑制したいものです。機能的な最新設備を取り入れたがる人がいますが、本当に必要な設備は、家庭によって違います。最新とか、便利といった言葉に惑わされず、自分にとって必要なものなのかを見極めましょう。

お金

資金計画は長期的な視野を持って無理なく返していけることを一番に考えましょう

建設費を抑えたら、借り入れも抑えられます。返済負担が小さければ、ライフスタイルや経済状況に変化が起きても対応しやすく、余裕があれば繰り上げ返済も可能になります。また、家は適切な時期にメンテナンスをしなければ長持ちしません。将来のメンテナンス費用を捻出するためにも、返済金額は抑えておいたほうがよいのです。

フラット35は上に挙げた条件を一定以上満たした住宅ローンです。もちろんもっと有利なローンがあるかもしれません。融資を受けるときはよく調べ、短期間だけの低金利など目先の条件にとらわれることなく、複数の商品を比較してから決断してください。

なお、金利引き下げがあるフラット35Sの申し込み期間が延長されそうです。これから家づくりを計画している人は、検討してみるとよいでしょう。
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