耐震リフォーム/耐震リフォームの費用

耐震リフォームの費用相場って?

耐震リフォームのなかには、脅迫まがいの営業トークで法外なリフォーム費用を請求する悪質商法も見受けられます。しかし耐震リフォームは、命に関わるとても重要なリフォームです。今回は、耐震リフォーム費用の相場を理解して、不正なリフォーム業者につかまらないために備えましょう。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

Q:
悪質商法に気をつけよう!
「このままだと家が倒れる」などと不安をあおり、その場ですぐに工事契約を結ぶことを勧める業者は要注意!

先日業者が来て「床下を点検します」というので見てもらったところ、「このままでは家が倒壊する危険がある。今なら200万円のところ150万円に値引きするから」といって、耐震補強や床下消毒の工事契約を勧められました。なんとなく怪しい感じがしたので帰ってもらいましたが、悪質な業者を見分けるコツはありますか? また耐震リフォームの適正相場はいくらくらいでしょうか?

A:
住まいの大きさ、建物の状況にもよりますが、「耐震リフォーム」はその家ごとに施工すべき内容が違います。しっかりとした調査をする業者ほど、その場で金額をすぐに提示するようなことはまずありませんから、すぐに金額を提示してその場で契約を求めてくる業者はまず怪しいと思ってよいでしょう。

耐震診断はじっくりが基本。契約を急ぐ業者は怪しい!

先日の東日本大震災で、ますます住まいの耐震性能が重要視されるようになってきましたが、その一方で耐震リフォームをネタに悪質な訪問販売を展開する業者も相変わらず報告されています。普段から我が家の耐震性に不安をもっている人にとっては、突然訪ねてきた業者に「次に大きな地震が来たら家が壊れるかもしれませんよ!」などと言われると、やはり不安になるものです。

そういった業者が適切な「耐震調査・診断」「設計」「見積り」「施工」を実施してくれれば問題ないのですが、一目見ただけで「この家は危ない」を連発し、すぐに契約に持ち込もうとするのが悪質業者の手口です。こういった業者はほとんどの場合、施工もずさんなもので、耐震効果のほとんどないような箇所に部材を取り付けたり、最悪のケースでは何もしないということもあるようです。

屋根がすでに明らかに傾いているとか、壁が抜けてしまっているような住まいであれば別ですが、住まいの耐震調査では、建物強度にかかわる「耐力壁」などの配置確認、土台や柱などの傷みがないかどうかなどの目視調査を総合的に判断することが一般的であり、数十秒から数分程度で実施できるものではありません。

さらに建築基準法の耐震基準が大幅に強化された1981年6月より前に建築された住まいでは、総合的に耐震強度が不足していることが多く、調査はより細かく実施する必要があるのです。

これらから考えても、「すぐに耐震補強しないと家が倒れるから、今契約した方がいい!」とか、その場で金額を提示して「今日契約してくれるなら○○円値引く」というように契約を急がせる場合は、悪質業者である可能性が高いといえるでしょう。

次のページでは住まいごとに違う「耐震補強」のメニューについて概算費用と合わせてご紹介します
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