タミフルの副作用
タミフルが発売される前に行った試験(治験)の中で、副作用で報告されているものは、腹痛(6.8%)・下痢(5.5%)・嘔気(3.9%)などです。これは発生頻度の数値が出ている副作用です。しかし、ニュースで話題になっている異常行動については発生頻度のわからない副作用として、薬の詳しい説明書(薬剤添付文書)に記載されています。その他、肝機能障害・ショック症状・肺炎・急性腎不全(全て頻度不明)なども記載されています。現在、異常行動の副作用が報道されて注目されています。むやみに不安にならず、薬を服用した人の状態をなるべく見守り、冷静に判断することが大切です。「これはおかしい」と思えば、すぐに医師に見てもらうことが大切です!タミフルは発売されて間もない薬で、どういう人が副作用が出やすいかということも全くわからない状況です。今後、この薬に関する副作用の情報もたくさん集められて、原因や対処法などが研究されるでしょう。
タミフルに限らず、薬は期待する効果である「主作用」と期待しない効果「副作用」があります。多かれ少なかれ、どうしても薬に副作用はあるのです。そのため、医師は診療するときに、メリット(効果)とデメリット(副作用)を比較して、メリットが大きい場合、またはメリットが出る確率が高い場合にその薬や治療法を必要に応じて行います。
何回も言いますが、タミフルの使用やその他の薬の処方に関して、不安なことがありましたらかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。また、薬を服用して様子が変だなと思ったらすぐに病院にかかるか、医師に相談してください。
タミフルのインフルエンザ予防効果について
時々、インフルエンザの予防としてタミフルを服用する場合があります。つまり、インフルエンザにかかってはないけど、かかる可能性を考え予防として飲むことですね。これは、免疫力の低い高齢者や受験生などが必要に応じて利用しているようです。中外製薬から発表されている文書(薬剤添付文書)によると、国内で実施した薬の効果を計る試験でインフルエンザにかかった割合は、タミフルを飲んでいない人は8.5%、タミフルを飲んだ人は1.3%であったと紹介されています。もちろん、A型・B型以外やその他の風邪の場合は効果がありません。また、予防として使う場合は保険が使えませんので、薬代など全て自己負担になります。予防投与についても、効果と副作用などを十分考慮し、かかりつけの医師とよく相談してから判断しましょう。
今回は、ニュースで話題になっている薬であるタミフルをご紹介しました。記事の内容で何かリクエストがありましたらぜひお知らせください。時期なども考慮し、できる限りご紹介させていただきます。
*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
【参考資料】
・タミフルカプセル75 薬剤添付文書情報(中外製薬)
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【参考リンク先】
耳鼻科50音辞典>子供に多い耳鼻科疾患>インフルエンザ
脂質と血栓の関係>小児科疾患>タミフル