ビスホスホネート系の飲み薬について
ビスホスホネート系の飲み薬には、アレンドロン酸ナトリウム（商品名：フォサマック／万有製薬、ボナロン／帝人）、リセドロン酸ナトリウム水和物（アクトネル／味の素、ベネット／武田薬品）、エチドロン酸二ナトリウム（ダイドロネル／大日本住友製薬）があります。これらのお薬は、破骨細胞に作用して、骨吸収を抑制することで、骨密度や骨の強度を増やします。
もう少し詳しく説明しますと、この薬の成分は、骨の表面のハイドロキシアパタイトに強い親和性（結びつき）があり、骨の表面に吸着します。そこで、破骨細胞が骨を吸収するために、骨（ハイドロキシアパタイトなど）を取り込みますが、その際に一緒にハイドロキシアパタイトにくっついた薬の成分も破骨細胞が取り込んでしまいます。
そのため、この薬の成分を取り込んだ破骨細胞は活性が抑制されてしまうという仕組みで（注）、薬が作用します。
（注：破骨細胞のアポトーシス誘導、破骨細胞の機能喪失、破骨細胞のOPG産生増強によるは骨細胞形成・活性化阻害など）
服用の注意について
アレンドロン酸ナトリウム（商品名：フォサマック／万有製薬、ボナロン／帝人）、リセドロン酸ナトリウム水和物（アクトネル／味の素、ベネット／武田薬品）の服用の注意について、ご紹介します。この薬は、起床して直ぐに服用します。食事30分以上前に服用するようにしましょう。コップ一杯の水（約180ml）を用意して、薬と一緒に水も全部飲んでください（一気に飲まなくても数回に分けてもかまいませんので、全部そのときに水を飲んでください）。
その後、30分ぐらいは、横になったり、下を見るようなかがむ姿勢をとらないようにしてください。薬の成分が逆流して、食道炎や胃炎を起こすことがあります。
薬を飲んでから30分後に、食事を摂るようにしてください。
この30分は、人によっては、散歩に行ったり、食事を作ったり片づけをして過ごすという方もいらっしゃいます。何もすることがなくても、横にならず、椅子に座るようにしてくださいね。
薬の種類によって、毎日服用するタイプと、質問者の方のように1週間に1回の薬もあります。また、体質やもともとある病気で服用できない場合もありますので、医師と相談て自分にあった薬を服用してもらうようにしましょう。
また、この薬は、服用によって食道や胃腸の粘膜が荒れてしまうことがあります。服用していて、気持ちが悪くなるなど、食道や胃の不快感、その他おかしいなと思うことがありましたら直ぐに医師や薬剤師に相談しましょう。事前に、食道や胃腸に疾患があると分かっている場合は、医師に伝えるようにしてくださいね。
*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
【参考資料】
日経ドラッグインフォメーション 2007.10月号
【参考リンク先】
骨代謝の仕組み＞社団法人 全国牛乳普及協会
フォサマック＞万有製薬会
アクトネル錠＞エーザイ
骨粗しょう症の話＞武田薬品工業
