「標準マットレス」と「体圧分散マットレス」、使い分けのポイントは?
褥そう・床ずれ防止のためにも大切な体位変換器や床ずれ防止用具。選び方のポイントは?
マットレスは「標準マットレス」と「体圧分散マットレス」の2種類に分けることができます。その最大の違いは柔らかさ。
日中は起きて自立した生活を送っている方の場合は、動くときの安定性に優れたやや硬めか普通の柔らかさの標準マットレスが良いでしょう。
ベッドで過ごす時間が長い方や寝たきりの方の場合は、身体の圧力を分散させることで床ずれになりにくい、柔らかめの体圧分散マットレスがオススメです。
「体圧分散マットレス」の選び方……要介護のレベルに適したものを
体圧分散マットレスには、素材、厚さ、機能などによってさまざまな種類があります。利用される方の体の状況とベッドのサイズに合わせて選びましょう。
■ パッドタイプ……要介護度の軽い方にオススメ
標準マットレスの上に敷いて使うタイプ。厚さ2~6cm程度と薄く、通気性が良く蒸れにくいのが特長。丸洗いすることもできるので、一般のベッドパッドと同じように扱うことができます。
■ 体圧分散マットレス……1日の多くをベッドで過ごす方にオススメ
最もオーソドックスなタイプ。通気性を重視したものから防水性や撥水性を重視したものまで、さまざまなバリエーションがあります。クッション材についてもポリエステルやウレタンフォームなどの他、ゲルや水など多くの素材のものが作られています。
■ エアマット……寝たきりの方にオススメ
ポンプでマット内に空気を送り込み、寝返りのサポートや座位の保持など、さまざまな機能提供が可能。ただし、要介護度の低いときにあまり高機能なマットを使うと、自分自身の力で起き上がる力が失われる原因にもなりかねないので、本当に必要な機能が付いたものを選ぶことが大切です。
電動ベッドの選び方については、「電動ベッドの選び方」をご覧ください。
体位変換器の利用で、褥そう(床ずれ)を予防
ベッドに敷いて利用するマットレスタイプのものではなく、体の下に差し込むクッションなども、床ずれの防止には効果的です。ベッド上での姿勢をラクに変えることができるので、必要に応じて利用しましょう。
てこの原理を利用して、介護者が無駄な力をかけずに体位変換させられるアイテムもあります。おむつ交換の際にも便利です。
介護保険の福祉用具貸与を賢く使って、適切な用具の使用を
床ずれ防止用具や体位変換器は、介護保険の「福祉用具貸与」の対象となっています。要介護2以上の方は1割負担でレンタルできるので、担当のケアマネージャーに相談しましょう。