自律神経失調症/自律神経失調症の予防法・治療法

自律神経失調症の予防・治療法

頭痛やめまいなどの症状で「自律神経失調症」と診断されたとくにすべきことは? 自律神経失調症の予防法・治療法をわかりやすくまとめました。

菅原 道仁

執筆者:菅原 道仁

医師 / 家庭の医学ガイド

自律神経失調症の予防・治療法

家族や仲間たちと相談することはストレス解消になりますが、深刻なストレスの場合には心療内科や精神科などの専門家のアドバイスが極めて有効です。

即効性の高い治療法がない自律神経失調症。深刻なストレスをかかえている場合は、心療内科や精神科の受診も検討しましょう

自律神経失調症は、臓器に腫瘍ができていたり、血液に異常があったり……といった他の病気とは異なります。目に見える異常がないので、手術による異物切除や薬による緩和は期待できません。

自律神経失調症を改善させるためにできる最善の方法は、ストレスをできるかぎり除去すること。しかし職場の人間関係がストレスになっている場合は、職場や仕事内容をすぐに変えるのは現実的に難しいでしょう。イライラしないように自分の考え方を変えるのも一つの方法ですが、一気にストレスのない生活を目指して頑張りすぎるのもオススメできません。

現実的にできることは、自分ひとりでできるレベルの生活習慣の改善です。深夜までテレビを見てしまい寝不足気味だったり、食事の準備が面倒だからとつい外食で済ませていたり、休日はレジャーがメインになりすぎていて休養が取れていないという人は、できることから改善してみましょう。

朝日を浴びる生活は、神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促し、自律神経を安定させます。一定のテンポを保って体を動かすリズム運動もセロトニン分泌を促すので、軽いウォーキングを試すのも効果的。スポーツにこだわらず、ダンスやカラオケなどでも、近い効果が期待できます。食事をゆっくりよく噛むこともリズム運動のひとつなので、外に出る時間がない人もぜひ試してみてください。

自律神経失調症には、1日2日で効果が出るような特効薬はありません。身体のリズムを根本から改善する必要があるので、即効性ばかりを求めず、最低でも3ヶ月以上は続けるようにしましょう。

自律神経失調症の薬・対症療法

自律神経失調症に効果的とわかっている治療薬は、残念ながらありません。しかし、さまざまな症状のために日常生活が制限される場合は、その悩まれている症状を緩和するために内服治療を行います。例えば、頭痛がひどい場合は鎮痛薬を、めまいがひどい場合はめまい止めを、不眠が続くなら睡眠導入剤を、下痢が続くなら下痢止めを、といった具合に症状に合わせた内服治療を行うと日常生活を健やかに送ることができます。

自律神経失調症との付き合い方

自律神経失調症は、つらいのにはっきりとした治療法が分からないことから、時に不安を感じすぎてノイローゼ気味になってしまう人もいらっしゃいます。実際に起きている症状以上に、精神面での不安や焦りを抱え込んでしまうためだと思います。

他の検査で異常がないことが確認された上で「自律神経失調症」と診断されたなら、現時点で命にかかわるような病気ではないと診断されたのと同じです。不快症状ばかりに目を向けていると、それもストレスを増大させてしまいます。少なくとも重大な病気ではなかったことを念頭にあまりくよくよ悩まず、上記の生活改善などのできることから根気よくやり続けることが、何よりも大切であると考えます。
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