体が冷えやすいのは冬より夏? エアコンの設定温度に注意
エアコンの点検、してますか? アレルギーを防ぎつつ、健康的にエアコンを活用しましょう
体温維持に使う熱量は、気温が高い方が少なくて済みます。難しい表現で言うと、体温維持に使う熱量(基礎代謝量)は、夏になると減ります。つまり、実は暑い夏の方が体は冷えやすく、一度冷えると暖まりにくい体質になるということです。
この基礎代謝の減り方には個人差があります。基礎代謝の減少量が多い人は夏に太りやすく、その上にいわゆる冷房病になりやすい可能性があります。「エアコンで体を冷やすのは自然に反するので体に悪い」という俗説はある意味では正しいのです。
25℃以下のオフィスでは、冷房病予防が必要かも
夏に外から部屋に入った人が涼しいと感じるのは25℃以下(23℃程度)とされています。もし25℃以下のオフィスでPC相手に一日座って仕事をしていると、手足の冷えを感じる冷房病になる可能性があります。確かに旧式の集中方式の空調施設を使っているオフィスでは、空気の対流が悪いために同じ室内でも温度差があり、より冷房病が起きやすくなります。特に吹き出し口に近い席にいる人はなおさらですね。女性の場合、流行のバギンスは脚の冷え予防、冷房病予防に最適なファッションでお薦めです。
温度より湿度? 夏は除湿機能でべたつきを予防
エアコンにできる事は機種により異なります。特殊な場所にある空調機、例えば病院にある空調機は、病原菌の除去、感染予防のために陰圧と陽圧の調整機能がありますし、航空機などでは上空では加圧(ただし大気圧よりも低い状態)、密閉された空間では二酸化炭素の除去機能がついています。一般家庭やオフィスの空調機で違いが出そうな機能は以下の3つ。- 湿度の調整機能(除湿・加湿)
- 外気との換気機能
- 空気のゴミをとる機能(フィルター機能)
アレルギーの人に重要なフィルター機能については後述しますが、暑い夏、特に重要となるのは「除湿機能(湿度を下げる機能)」です。古い集中方式の空調では、温度を下げると皮膚がべたついた感じがします。人の体温調節、体温上昇を防ぐには発汗が重要ですが、発汗しても汗が蒸発しないと体温は下がりません。この汗の蒸発と関係が深いのが空気中の水分量の程度を示す湿度です。湿度には空気中の水分量そのものを示す絶対湿度と通常使用している相対湿度があります。
除湿をしないで空調機で温度だけ下げると、絶対湿度は変化しないので湿度(相対湿度)は増加してしまいます。皮膚のべたついた感じは相対湿度の増加が関係しています。
熱中症予防にも効果的? エアコン選びでは除湿機能に注目!
熱中症の原因の一つとして、相対湿度の増加による発汗で体温調節機能が落ちることが関係しています。梅雨時にじめじめする外気が嫌だと窓を閉め切り、温度と湿度の高い部屋で発汗すると、体温調整ができません。適度に除湿した上で温度を下げると、発汗による自然の体温調節も維持されるので、室温を下げすぎることなく快適な体温が保て、冷房病も避けることができます。職場や学校でのエアコン機能は個人で選べませんが、家電売り場でのエアコンを選ぶ際には「除湿機能」に注目するのがポイントです。
「エアコンでくしゃみ」はアレルギーが原因……?
エアコンのフィルター機能は、アレルギーの人にとってはとても重要。エアコンを使い始めると、設定温度が適切でもくしゃみをする人は増えるようです。これはエアコンから吹き出す空気にアレルゲン(ハウスダスト)が含まれているためだと考えられます。花粉に対するほど強くはありませんがハウスダストにも多くの人が反応するのです。空調機のフィルターを掃除すると、吹き出すハウスダストの量を減少させる事ができます。最近の家庭用の機種ではフィルターの自動掃除機能が売りとなっています。