りんご病の予防法・予防接種・症状写真
りんご病の症状写真で、頬が赤くなります(出典:国立感染症研究所感染症情報センター感染症発生動向調査週報より)
貧血や免疫不全などの持病がある場合や妊娠中は重症化する恐れがあるので、周囲でりんご病が発生した場合は、りんご病患者と接触した人との接触も、できる限り避けるようにしましょう。
感染期間は風邪のような症状があってから頬が赤くなるまでです。飛沫感染ですので、マスクで予防が可能です。ただ、接触感染もありますので、手洗いはしっかりとしましょう。
りんご病の治療法
残念ながら、りんご病を治療するための特効薬はまだ見つかっていません。重症例には、ウイルスを中和させる「γ-グロブリン製剤」という薬の投与が有効なことがあります。通常は発疹や熱が自然に引くのを待つのみです。りんご病の合併症
酸素を運ぶ赤血球が壊れたり、作られなくなって、貧血になってしまいます
持病で「溶血性貧血」がある場合、りんご病に感染することで急激に貧血が進む「貧血発作」が起こることがあります。赤血球の形に異常のある人、遺伝性球状赤血球症の人などが溶血性貧血を起こしやすいです。これは赤血球前駆細胞に感染するからと言われています。
■関節炎・関節リウマチ
関節に痛みが起こる関節炎・関節リウマチを引き起こすことがあります。ただ、成人では一時的に関節痛を起こすので、鑑別は重要です。
■血液成分への悪影響
血小板や、白血球の一部である顆粒球が減少することもあります。血球貪食症候群(VAHS/HPS)を合併すると、白血、赤血球、血小板が減少します。白血球が減少すると、免疫が低下します。赤血球が減少すると、酸素不足になり、血小板が減少すると、血が止まらなくなり、出血しやすくなります。
■発疹・発熱の長期化
免疫不全の場合、パルボウイルスB19の感染が持続するので、発疹や発熱が長引くことがあります。
■流産・胎児水腫
特に注意が必要なのは妊婦。パルボウイルスB19が妊婦に感染すると赤ちゃんに異常が起こり、流産の原因になることがあります。妊娠前半期の感染が危険とされています。特に、「胎児水腫」という赤ちゃんがむくんでしまう状態は、妊娠前期はもちろん、他の時期でも危険。
ただ、上記のような危険性は風疹より少ない確率なので、りんご病になったからといって必ずしも胎児水腫や流産が起きてしまうわけでありません。胎児エコーで観察し、赤ちゃんに異常がないかを確認する必要があります。
以前、NICUで勤務していた時に生まれてから胎児水腫の治療を経験したことがありますが、治療は非常に難渋します。また、母親の体内での胎児に対して行う治療もありますが、非常に難しい治療になります。妊娠中はりんご病にかからないよう、できる限りの予防を心がけてください。
一度りんご病にかかると二度とかからないと言われているので、まずは昔かかったことがあるかどうかを確認しましょう。成人の60~70%は抗体を持っているので、もし紅斑が出た場合は血液検査で抗体の有無を検査しましょう。
りんご病は5~9歳の子供に特に多い病気です。妊娠初期はその年頃の子どもと不必要に接触するのは、極力避けた方がいいでしょう。