突然の体重減少は病気のサイン
ダイエットに励んでいるわけでもないのに体重が減っていく場合、何かしらの病気が潜んでいるかもしれません。他の自覚症状がなくても注意が必要です
しかし、特別ダイエットに励んでいるわけでもなく、食習慣、日頃の運動量、睡眠時間なども変えていないのに体重減少があるのは問題です。成人の場合、1日のうちでも食事や排泄の関係で2kg程度の体重変動があります。元の体重にもよりますが、目安として半年で5kg程度の減少があった場合は、他の自覚症状がなくても病院受診を検討した方がよいかもしれません。
体重減少の原因となる病気一覧
体重減少が見られる病気はさまざまです。循環障害は体重の減少とは関係が低いので、炎症(慢性炎症)、代謝障害、腫瘍(悪性腫瘍)が主な体重減少の原因として考えられます。以下に、考えられる主な病気を挙げます。■体重が減る慢性炎症……結核など
体重が減少する病気の一つに結核があります。結核は呼吸器系の慢性炎症疾患なので微熱と咳が症状としてありますが、体重減少以外に症状がない場合もあります。結核かどうかは内科・呼吸器科で診断することになりますが、胸部のX線写真、CTスキャン、痰が出ていれば痰の抗酸菌検査などを行うことで、結核かどうかが分かります。抗酸菌検査のうち培養検査は結果が出るまでに時間がかかるので、その場で結核と分かるわけではありません。
■体重が減る代謝障害……糖尿病・甲状腺機能亢進症など
糖尿病は体重が減少する代謝障害の疾患です。肥満は糖尿病の危険因子のひとつですが、肥満傾向の方が糖尿病を発症すると、逆に体重が減少することがあります。糖尿病の可能性を診断するための検査としては採血して血糖やヘモグロビンA1cなどを調べます。
代謝障害としては、甲状腺機能亢進症も体重が減少する疾患です。発汗の増加、脈拍が多いなどの症状もありますが、体重減少で気づく事もあります。甲状腺機能亢進症の可能性を診断するための検査としては採血して甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを調べます。
■体重が減る悪性腫瘍……消化器系のがん
悪性腫瘍は部位や進行度により症状は様々ですが、消化器系の悪性腫瘍、特に胃がんや結腸がんなどでは、最初に体重減少で気づく場合があります。悪性腫瘍の部位を調べるのには様々な画像診断が必要となります。体重が減少している場合は、がんが進行している場合が多い傾向にあるので、早めの検査が大切です。
がんの定期健診については、「会社の定期健康診断でがんの早期発見は可能か」に詳述していますので、あわせてご覧下さい。
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