長引く咳と血痰に注意
風邪や喘息など、咳は一般によく見られる症状の一つです。しかし、1ヶ月以上続くような咳は要注意です。あとは、痰に血が混じる時にも要注意。 |
肺がんの初期症状として気をつけて頂きたいことは、以下の2つです。
1)長引く咳
咳は、普通の風邪や喘息などでも見られる一般的な症状ですので、日にちが経てば治るだろうという感覚で、医療機関を受診されないケースもよくあります。もちろん、数日でピークを越えるような咳なら、それでよいのですが、長引く咳には要注意です。肺がんや最近では肺結核についても注意が必要ですので、1ヶ月近く咳が続くような時には、まずは、近くの医療機関を受診されることをおすすめします。
2)血痰
血痰とは、血が混じった痰のことです。普通は、痰に血が混じることはありません。もちろん、咳のしすぎで喉の粘膜が少し痛んでいる可能性もありますが、基本的に、痰に血が混じった時には、医療機関を受診されることをおすすめします。
これら2つの症状は、がん組織による気管支の閉塞や、それに伴う感染症、そして、脆くなっているがん組織の血管からの出血が原因となって見られるものです。
肺がんが進行すると……
肺がんが進行したときには、局所の進展による症状と、遠隔転移による症状が見られるようになってきます。 |
1)局所の進展による症状
肺がんが胸壁や肋骨、背骨などに浸潤していくとそれに伴う痛みがでてきます。また、神経への浸潤による痛みや嗄声(声が枯れること)、まぶたが開かないなどの症状が見られるようになります。さらに、肺を包む胸膜とよばれる膜全体に広がったときには、胸水と呼ばれる水が胸腔内にたまり、呼吸困難感が出現することがあります。
2)他臓器への転移による症状
肺は、全身の血液が集まり通過していく臓器なので、非常に転移しやすい性質を持っています。肺がんの場合には、脳、肝臓、副腎、骨に転移しやすいのが特徴です。脳への転移では頭痛や嘔気が、骨への転移では腰痛などの痛みが見られます。
また、がんに共通のことですが、特に要因なく体重が減少したり、帯状疱疹(ヘルペス)を発症する場合には、何らかの悪性疾患の存在も疑われますので、万一、このような兆候が出た場合には医療機関を受診するようにしてください。
治癒率をあげるためには、早期発見・早期治療が大切です。早期発見のためには、初期症状に注意すると共に、やはり、年に1回の定期的な健康診断を受けられることをおすすめします。
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つづいては、肺がんの予防法・治療法です。