インフルエンザの迅速診断

rapid_kit_1.jpg
迅速キットは目視で判断
発熱して、咳や鼻水などの症状があり、インフルエンザが疑われる場合、病院で迅速キットによる検査が行われます。鼻腔の拭い液、咽頭の拭い液などを採取して、外来で迅速診断キットを使用できます。検査に必要な時間は反応を開始してから早いものでは15分です。A型とB型を区別できるものが使用されています。


インフルエンザの治療薬

tamiflu_1.jpg
インフルエンザの治療薬といえばタミフル
迅速検査結果が陽性だとインフルエンザと診断されます。インフルエンザに対して出される主な薬には、抗ウイルス剤の「タミフル」と「リレンザ」があります。タミフルとリレンザは、ウイルスが持つノイラミダーゼという酵素を阻害します。タミフルは飲み薬ですが、小児科領域では問題があるとされて、現在、使えません。

インフルエンザ治療薬・リレンザは吸入薬

diskhaler_4.jpg
リレンザは吸入します。
リレンザはタミフルとは違って、喘息の発作に使う薬剤のように薬剤を吸い込む吸入式です。小児科領域でも制限がないので使用可能ですが、小さい子供では粉末状の薬剤の吸入が難しいのが実情です。

遅れて診断されたインフルエンザは放置する?

発熱で脱水症状を起こさないよう、適度な水分補給も大切。吸収しやすいイオン水を活用するのも有効です

発熱で脱水症状を起こさないよう、適度な水分補給も大切。吸収しやすいイオン水を活用するのも有効です

インフルエンザの病期は発熱してから1週間程度です。インフルエンザに罹った場合は職場や学校を1週間は休む事になります。

抗ウイルス剤のタミフルとリレンザは病期を短縮する事が判明していますが、数日程度の短縮です。発熱してから時間が経って熱が下がり始めてからインフルエンザと診断された場合は、病期の短縮があまり大きなメリットになりません。タミフルやリレンザを投与せず、自然に治すことになります。

熱が高いからと解熱剤を飲むのはお薦めしません。解熱剤を飲むことで、病期を長くしてしまうという報告があるからです。大人の例でも小児のように脳症を起こした報告もあります。

発熱により発汗して脱水傾向となるので水分補給はしっかりと取りましょう。しかしアルコールはダメです。飲酒による利尿作用で、結果的に脱水傾向が助長されてしまうのでお薦めしません。入浴については症状が悪化するという明らかな報告はありません。解熱してからならば大きな問題はないでしょう。

鶏卵から作られるインフルエンザワクチン

flu_vaccine_1.jpg
卵がないとワクチンは作れません!
意外に感じられるかもしれませんが、秋から冬にかけて接種しているワクチンは、鶏卵を使って作られています。

元々インフルエンザウイルスは鳥のウイルスです。これまでに世界的に流行したウイルスは人に対しては毒性が強くて、一方、鳥に対しては毒性が低いという特徴があります。もし、鶏卵にも害を及ぼすウイルスが発生し、このワクチンを作らなければならなくなった場合は大変です。

鶏に対して大流行が起こってしまうので、鶏卵自体の入手が困難になりますし、そもそも鶏卵に対しての毒性を弱めないとウイルスの培養ができなくなってしまうからです。鳥インフルエンザから新型インフルエンザが出現した場合は、弱毒化のために時間がかかる可能性があります。

鶏卵を用いないワクチンの生産が模索されていますが、まだ確立したワクチン生産の方法はできていません。注射ではなくて、点鼻という投与方法も外国では検討されています。いずれにしても、もしも新型インフルエンザが流行した場合、流行の第一波の期間中には、新型インフルエンザワクチンは間に合いません。

新型インフルエンザは多くの人の命にも関わる可能性もある怖い病気なのです。人の移動を制限することによって初期の拡大を予防するという考えも重要です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項