鳥インフルエンザと鶏肉・卵の安全性

鶏肉

鳥インフルエンザが流行すると倦厭される鶏肉。実際の安全性はどうなのでしょうか

米国のBSE騒ぎに続いて発生した日本国内での鳥インフルエンザ。卵も半年間冷蔵した卵の出荷騒ぎがありましたね。牛丼に続いて親子丼にも不信感が高まる中、鶏肉と卵の安全性について、解説します。(この記事は2004年1月に執筆しました)

 


インフルエンザは鳥の病気!

インフルエンザにはA型、B型、C型があります。毎年流行して高熱が出るのはA型とB型。さらにインフルエンザウイルスの起源をたどって行くと、哺乳類の病気ではなく、もともとは鳥の病気だということがわかっています。

鳥インフルエンザのうち病原性が強く、別名「※家禽(かきん)ペスト」と呼ばれているのが「高病原性鳥インフルエンザウイルス」。2003年から韓国やベトナムでH5N1型が流行し、韓国では鶏料理の参鶏湯(サムゲタン)の売れ行きが激減するということが起こりました。2004年1月に日本で発生した鳥インフルエンザウイルスも同じH5N1型です。

※かきん【家禽】:家畜として飼育される鳥。肉や卵を利用するためのものが多いが、愛玩用・観賞用もある。ニワトリ・アヒルなど。(三省堂提供「大辞林 第二版」より)


鳥インフルエンザウイルスは過熱すれば感染しない

「鶏を飼っていた人が鳥インフルエンザに感染した」という例があります。鶏からのインフルエンザウイルスが、鼻腔を通って気道の粘膜から感染したためです。ですから鳥インフルエンザを検査する係官は検査時には防護服に加えてマスクが必要。ところで、鳥インフルエンザを持った鶏肉を食べた場合はどうなるでしょうか?

鳥インフルエンザウイルスは気道感染で肺に取りつくので、口からの経口感染で消化管から体に入ることはありません。それに鶏肉は通常加熱するので、調理してしまえば感染性がなくなります。同様に加熱した卵を食べても感染する心配はありません。

ゆで卵でも長期保存は危険

卵が恐いのはサルモネラという食中毒菌がいるため。卵の賞味期間は、このサルモネラ菌の繁殖する期間に基づいています。牛丼屋で夏場の卵の持ち帰りを中止するのは、温度が高い夏場は菌の繁殖が早くなるからです。

卵と酢と油で作られるマヨネーズは、酢の防腐効果により日持ちしますが、自家製マヨネーズを数日間使っていてサルモネラ菌の食中毒になった例があります。

卵はゆで卵にしてしまえば安全。ひびのない殻つきのゆで卵なら、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。しかし長期保存できても卵の中の油が酸化してし、結果的に風味が変わってしまうので注意が必要です。

親子丼、焼き鳥丼、鶏そぼろ丼、安全なのはどれ?

牛丼に変わる献立として親子丼、鳥そぼろ丼、焼き鳥丼などがあります。鳥インフルエンザウイルスは卵の洗浄段階でほとんど除去されていますが、一方でサルモネラは加熱しないと予防できません。いずれの献立も加熱調理をするので安全性が高いと思われますが、病原体を殺すにはある程度の加熱時間が必要。加熱時間を考慮すると、親子丼よりも鶏そぼろ丼、焼き鳥丼に軍配があがります。
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