感染症の治療法

感染症の治療法は、大きく以下の3つに分ける事ができます。薬剤の投与は原因が判明しない場合でも可能です。一方、抗体の投与は原因が判明していて、潜伏期間のうちに投与することによって発症を予防します。 サイトカインはいろいろありますが、治療に用いられているのはウイルスに対するインターフェロン、好中球を増やす顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor、G-CSF)などがあります。 対症療法は症状を緩和するために行いますが、かえって病期を長くしたり、合併症を引き起こすことがありますので、注意が必要です。
  • 薬剤を投与する
  • 抗体を投与する
  • サイトカインを投与する
  • 対症療法

薬剤の投与

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抗生物質は点滴でも投与します
微生物の種類によって用いる薬剤が異なります。大きく分けると、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤となります。

■抗ウイルス剤
大部分のウイルスに対しては抗ウイルス剤は未開発です。診断が可能で需要が見込めないと開発されないからです。そのために開発されても発売されないものもあります。以下のウイルスに対しては抗ウイルス剤による治療が可能です。
  • インフルエンザウイルス
  • ヘルペスウイルス
  • B型肝炎ウイルス
  • C型肝炎ウイルス
  • ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus, HIV)
  • サイトメガロウイルス
■抗細菌剤
古典的な抗生物質は細菌に対して用いられました。薬剤の分類方法はいろいろありますが有効性からみると以下のように分類できます。薬剤はかならずしも消化管から吸収されないので点滴静注で投与すべきと判断された場合は入院や通院が必要となります。
  • 一般細菌に有効
  • マイコプラズマ・クラミジア・リケッチア等に有効
  • 結核菌などに有効
■抗真菌剤
抗真菌剤というと通常は水虫・たむし(白癬菌)、癜風(でんぷう)などの皮膚疾患や、カンジダ症などが対象です。水虫も難治性であったり、部位が爪白癬(しらくも)や頭皮の場合は内服薬で治療が必要なので市販薬では治療できないので一定期間の通院が必要となります。真菌に対する免疫力が落ちた状態、例えば白血病の治療中やAIDSでは、全身の真菌による感染が起きますが点滴静注投与による治療が必要となります。


サイトカインを投与する

サイトカインの投与に関して一般に知られているのはC型肝炎ウイルスとB型肝炎に対するインターフェロン療法です。治療費に関して公的な助成制度が現在運用されています。
あまり一般的でないのは好中球を増やす顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor、G-CSF)による治療です。治療中に好中球が減少した状態でG-CSFの投与は白血球を増やす有効な手段です。


抗体を投与する

本来抗体は微生物に感染した場合にヒト(宿主)の体内で産生されます。受動免疫は妊娠した場合に胎盤を通じて母体から胎児へ免疫グロブリンが行くことによる免疫です。ヒトの血液から製造した免疫ブロブリン製剤を投与することによっても受動免疫が可能となります。特定の疾患を対象した製剤としてはB型肝炎の発症予防用の製剤、破傷風の発症予防の製剤があります。


対症療法

キャプション

脱水症対策も重要。患者が自分から水を欲しがらないことがあるので、周りが気をつけてあげることも大切です

対症療法でも感染症時の脱水症の予防は重要です。特に小児や高齢者では感染症に伴う嘔吐や下痢症による脱水状態から死に至る事があるからです。

感染症による炎症を抑える事が感染症が治癒につながるという観点から、解熱、下痢止め、咳止めなどの様々な対症療法が行われて来ました。症状を軽くする対症療法はかえって、病期を長くしたり、薬剤による重篤な疾患を起こしたりすることが判明しています。特にウイルス性疾患の時の解熱剤投与は、重篤な合併症を引き起こすので注意が必要です。
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