狂犬病の症状・死亡率

犬などの動物にかまれることで感染する狂犬病。海外では注意が必要です

犬などの動物にかまれることで感染する狂犬病。海外では注意が必要です

狂犬病の主な初期症状は、発熱などの風邪に似た症状とさまざまな神経症状。神経症状は、音や光に敏感になり不必要に怯えたりする知覚過敏と、神経麻痺やそれによる痛みから生じる特有の症状があります。

神経症状が起きると精神的に興奮したり、錯乱することがありますが、 特徴的なのは、飲み込むときに神経異常で強い痛みが起きて水すら飲めなくなったり(恐水症)、知覚過敏のため風の音にすら恐怖を感じるなどの症状(恐風症)。このため狂犬病は「恐水病」といった名前で呼ばれることもあります。

神経麻痺は、飲み込み困難から全身麻痺に発展し、最終的には昏睡状態となり、呼吸不全や多臓器不全で死亡します。発症した場合の死亡率は、ほぼ100%。潜伏期間の発症予防が効果を発揮できず、発症後に命を取り止めた例は世界でも数例しかない怖い病気なのです。

狂犬病の原因・感染源

狂犬病の原因は狂犬病ウイルス。狂犬病に感染した動物の唾液中にウイルスがいるため、ウイルスを持っている動物に噛まれることで人間に感染することがあります。野犬に噛まれることが多くの発病のきっかけなので、狂犬病という病名は間違ってはいませんが、犬以外の動物でも保菌している可能性があるので注意が必要。アライグマやスカンクや猫の他、世界的にはコウモリが感染源の動物として挙げられています。

日本国内での狂犬病

日本で明らかに狂犬病と推定される病気が確認されたのは18世紀。今日、狂犬病という呼ぶのは1950年に制定された狂犬病予防法からと推定されます。

しかし現在の日本では過去50年以上、国内での感染例は1件もありません。21世紀になってから外国で犬に噛まれた人が帰国後に発症して亡くなったケースはありますが、現時点で日本国内で犬に噛まれて狂犬病を発症する可能性は、ほとんどないと考えられています。

世界の狂犬病安全国

世界保健機構でコウモリも含めて狂犬病の危険性がないとされているのは、ニュージーランドのみ。狂犬病に対しては各国が独自の予防対策を取っているので、他にも島国であるオーストラリアを始め、安全性が高い国はいくつかあります。しかし犬以外のコウモリなどの動物も含めると、確実に安全と言える国を挙げるのは困難。多くの国では狂犬病リスクがゼロと言い切れないのが現状です。

日本国内での感染は現在なくなっているものの、海外旅行をする時は狂犬病のことを忘れてはいけません。不用意に野犬を始めとする生き物に近づくのは避けるようにしましょう。
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