問診と診察の内容
気になることは医師にすべてぶつけましょう |
診察では、医師がアトピーの湿疹の範囲、程度などを見て、アトピーの重症度や原因と治療方法を判断することになります。
アトピーの主な検査方法
よく行われる主な検査法は次の3つです。■ 血液検査
採血をして、アトピーの原因を探ります。血液検査では、主に以下の項目がチェックされます。
アトピーを判断するうえで、血液検査は必須 |
- 好酸球の数
血液の中の白血球という本来病気と闘う細胞で、好酸球という白血球の数を調べます。アトピーの人は、好酸球の数が多い傾向にあります。
- IgE値
免疫に関わるたん白質で、アトピーの人はこのたん白質の数値が増えます。
- 特異的IgE
原因と思われるアレルギー物質に対して、陽性か陰性か判断する指数。この数字は100までありますが、0.34以下ならスコア0で陰性。0.34~0.69までならスコア1で疑陽性。0.7以上ならスコア2で陽性になります。100近くになるとスコア6の重たいアレルギーがあると診断されます。
- LDH(lactate dehydrigenase)
体内の酵素で、皮膚や肝臓などに含まれているもの。皮膚の炎症で皮膚が破壊されると血液中に出てきます。アトピーの湿疹がひどいと上昇するので、この数値を見ます。
- TARC(Thymus and activation-regulateed chemokine)
細胞を引き寄せる体内で作られるタンパク質。最近測定できるようになった新しい数値ですが、アトピーの湿疹がひどいと上昇します。
■ 皮膚検査
皮膚にアレルギー物質をつけるので、かゆくなるかもしれません |
- スクラッチテスト
原因と思われるアレルギー物質を皮膚にたらして、針で少しだけ皮膚を引っ掻きます。15分後に赤くなるか、蚊にかまれたような湿疹が出れば、たらしたアレルギー物質がアレルギーの原因と考えます。
- 皮内テスト
原因と思われるアレルギー物質を皮膚内に針で入れます。15分後に赤くなるか、蚊にかまれたような湿疹が出れば、皮内に入れたアレルギー物質が原因と考えます。
- パッチテスト
原因と思われるアレルギー物質を皮膚に貼り付けます。その状態で、2日間(48時間)、3日間(72時間)後に、赤くなるかを判断する検査です。
■ 負荷試験
原因と思われるアレルギー物質を摂取して、湿疹がでるかという検査です。症状がきつく出ることがあるので、外来よりは入院での検査になることがあります。
なお、アレルギーの検査は、年齢を重ねるごとに変わります。数値が上がったり、下がったりするので、繰り返し検査されることをお勧めします。また、陽性が陰性になることもあるので、陽性だからと言って一生アレルギーと付き合わなければならない……と一概に悲観する必要はありません。
次にアトピーだと起こりやすい合併症を解説します。
⇒アトピー性皮膚炎の合併症 >>
小児科検索
皮膚科検索
アレルギー科検索