尿で調べるケトン体はアセト酢酸の濃度で、血液で調べるのはベータ=ヒドロキシ酪酸です。
DKAの主体となるケトン体は後者です。

日常のセルフケアを守ることがDKA予防のカギ。予防の基本は普段から規則的に血糖チェックを行ない、インスリン注射を体調が悪いときでも規定通りに守ること。その上で次のようなことに注意しましょう。

DKAは、それほど重くない風邪、インフルエンザ、胃炎、抜歯などでも始まることがあります。インスリンの作用をブロックするストレスホルモンの分泌などは私たちが判断できませんから、まずは体調の悪いときは血糖自己測定の回数を増やすことです。

糖尿病者の具合の悪いときに順守する約束事、いわゆるシックデイ・ルールは各医療機関によって違うと思いますが、一般に次のような項目があります。対象は主にインスリン治療をしている人たち、特に1型糖尿病の皆さんです。

ケトン体をチェックするタイミング

ケトン体は脂肪をエネルギーとして使う時に生成されるので、健康な人でも日常的に現れます。プチ断食はもちろんのこと、朝食を抜いただけでも体はケトンモードになっています。

しかし、体にインスリンが欠乏しているときはその生成量が100倍にもなって血液を酸性に傾けてしまうのでしたね。血液や尿に含まれるケトン体の濃度を調べることでそれが分かります。

1型糖尿病の人は血糖値が250mg/dl以上が2回続いたらケトン体をチェックするように勧められています。そして、ケトン体が中等量から多量の場合は直ちに医療の助けを必要とする段階です。

痕跡程度あるいは少量でも、ケトン体の生成が始まった印かも知れませんから、数時間ごとにケトン体をチェックします。

目的は少し違うのですが、糖尿病のある妊婦も毎朝空腹時にケトン体をチェックします。血糖を上げないように炭水化物の量を制限しますが、食事の炭水化物が少な過ぎるとケトンモードになってしまうからですね。

同様に1型の人は運動する前の血糖が250mg/dl以上あれば運動を中止するよう指導されています。この状態ではケトン体が増えるからです。
 
  • 熱がある
  • 吐き気や嘔吐、腹痛などがある
  • 体調が悪い(風邪、インフルエンザ etc)
  • ひどい疲労感がある
  • とても喉が渇く、多尿
  • 皮膚に赤みがさす
  • 苦しそうな呼吸、フルーツ臭のある呼気
  • 集中できない、頭が混乱する
これらのDKAの徴候があれば、ケトン体をチェックする必要があります。


手遅れにならないように、早めに医師の指示を受ける

自分が行った処置の時刻と内容の記録を取っておくこと。特に血糖値とケトン体の測定結果、どんな水分をどの位取っているかを知りたがると思います。同時に医師はあなたの呼吸や意識の混乱なども電話口で注意深く観察してますから、できるだけ直接医師と話をするようにしてください。

ところで、DKAの予防対策としてシックデイでもインスリンを通常どおりに注射するように指示されることが多いのですが、食事が喉を通らないのにインスリンとは少し不安ですね。実はインスリンの変更は可能でも、そのルールがないのです。だから通常どおりのインスリンと、それに見合った炭水化物をジュースなどで取れということなのでしょう。血糖値が250mg/dl以上の時は無糖のドリンクになりますよ。

DKAはインスリン不足から始まるのですから、血糖値が250mg/dlとか300mg/dl以上の高血糖の時は超速効型インスリンを注射したいですね。

でも、どの位注射したらいいでしょうか? 一つの考え方として、その人の一日分の総インスリン単位の10%という指導がアメリカで行われています。この量を血糖が下がり始めるまで2時間おきに注射します。

これで下がらなければDKAのサインです。大至急のSOSですよ。

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