痛風の根本的治療には食生活改善も大切。レバーなど、プリン体が多い食品は摂り過ぎないよう注意
痛風発作の再発を防ぐことはもちろん、腎機能障害を回避し、動脈硬化が進まないようにすることが大切。治療の第一歩はまず生活習慣改善で、十分な改善が得られない場合には薬を処方します。
痛風発作の治療・薬による痛みの緩和
痛風発作が起きた場合はとにかく痛いので、まず薬で炎症を抑えます。痛みや腫れが消えるまで炎症を治める薬を続け、炎症が完全に治まってから血液中の尿酸濃度を下げる薬を始めます。炎症が治まっても尿酸値が高ければ、また痛風発作を起こす危険があるためです。この際、急激に尿酸値を下げてしまうと痛風発作を誘発するリスクがあるので、薬は少量から始めて定期的な血液検査を行いながら3~6ヶ月かけて量を調節します。
痛風発作を繰り返す場合は、痛みの予兆があった時点で発作を抑える効果がある薬を使用することもあります。
痛風発作の予防・改善のための食事療法
他の生活習慣病と同様に、食事は適切なカロリーを守る、つまり食べ過ぎないことが鉄則。運動はウォーキングなどの有酸素運動を1日30分程度、できれば毎日行い、適正体重を維持しましょう。ただし、急な激しい運動が痛風発作の引き金になることがあるので注意が必要。普段動かない人が休日にゴルフに行き、翌日に足をひきずりながら病院を受診するのはよくあるケースです。運動療法は少しの運動でもいいので、習慣化することが大切です。その他、とくに痛風に関連する高尿酸血症改善のためには、以下の食生活を心がけましょう。
- プリン体を多く含む食品を摂り過ぎないよう注意。プリン体はイワシやエビ、カツオなどの他、レバーやあんきもなどに多く含まれている
- 水分を多く摂る
- アルコールを制限する
高尿酸血症の改善・治療方法
痛風発作を繰り返す方は、尿酸値にかかわらず薬が必要になります。治療の目標値は6.0mg/dl。痛風発作を起こしたことがない方の場合、尿酸値が8.0mg/dl以上が薬を始める基準とされています。薬には、尿酸の産生を抑える薬と、尿酸の尿への排泄を促進させる薬とがあります。つまり尿酸の作られる量を減らすか、体の外にたくさん捨てるかのいずれかの方法で、血液中の尿酸を減らします。
尿検査で血液中の尿酸が高くなっている原因を判定し、それにあわせて薬を選択。どちらの薬も尿酸値がよく下がりますが、尿酸の尿中への排泄を促進させる薬では、尿中の尿酸濃度が高くなって尿路結石ができるリスクを伴います。もともと尿路結石のある場合には、尿酸の産生を抑える薬を選択します。
腎臓の悪い方や肝臓の悪い方は、薬の副作用に注意する必要があるので、受診した際に主治医にしっかり説明を受けるようにしてください。