骨粗しょう症とは
骨折しやすくなる骨粗しょう症。骨折を機に寝たきりになったり、他の病気を併発することもあるので注意が必要です
骨粗しょう症の症状
最も特徴的な症状は骨折。特に背骨(椎体)の骨折が多く、70歳代前半の4人に1人、80歳代の2人に1人が骨折しているとの報告があるほど。背骨の骨折によって背中の曲がりが強くなると、逆流性食道炎や呼吸器系の病気を引き起こすことがある他、慢性腰痛の原因にもなります。また、足の太ももの付け根の骨折(大腿骨頸部骨折)も多く、高齢者の寝たきりの原因の第3位になっています。このように、骨折の予防は、他の疾患の予防やQOL(生活の質)の維持のために大切なことでもあるのです。
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症は原発性と続発性に分けられます。続発性とは他の病気や薬による骨粗しょう症で、例えば、内分泌の病気や長期間に及ぶステロイドの服用などがあります。骨密度、骨量は、思春期から20歳にかけて最大となり、40歳頃まではその値が保たれ、その後減少していくことが知られています。骨は変わらないように見えますが、実は皮膚と同じように、古い骨が壊される(骨吸収)一方で、新しく作り出され(骨形成)、代謝回転(ターンオーバー)しています。しかし、そのバランスが悪くなり、吸収の亢進によって失われた骨量を、骨形成によってじゅうぶん埋めることが出来なくなると、骨密度が減少してしまいます。これが原発性骨粗しょう症です。
骨吸収が亢進する原因として以下のようなものがあげられます。
- エストロゲンなどの性ホルモンの低下
- カルシウム、ビタミンDの欠乏
骨粗鬆症の診断
骨粗しょう症の診断は、下記の3つの検査で行います。- 背骨のレントゲン撮影
- 骨密度測定
- 代謝回転マーカーの測定
骨折がない場合、骨密度を調べ、若年成人平均値(YAM)の70%未満であれば「骨粗しょう症」と診断され、70~80%であれば「骨量減少」と評価されます。骨密度測定にはいろいろな方法がありますが、一番よいのは2種類のX線を用いたDXA(通称「デキサ」)と呼ばれる方法です。測定する部位は背骨、足の太ももの付け根(大腿骨頸部)、腕などが一般的。検査時間は数分で、被爆量も多くはありません。
代謝回転マーカーは、骨吸収や骨形成を評価するための値であり、尿や血液で簡単に測定できます。これらは治療効果の判定にも用いられます。