EDのほとんどを占めるとみられる心因性タイプには、さまざまな原因があります。その中でも、意外と多いのが、パートナーの些細な言動が引き起こすストレスによるものです。
一方、EDの克服をより確かなものにするためには、パートナーとの連携が欠かせません。EDを招くときも、退けるときもパートナーが深く関わっているわけです。
今回は、ED治療のカギを握っているともいえるパートナーの役割を考えてみましょう。
心の傷を上手にいたわる
男性を奮い立たせるのは、パートナーの優しい心遣い
そういう男性は、リベンジを期した性行為の際にも「なんとか勃起させなければ」「今度こそうまく挿入しなければ」という焦りから、かえって勃起を難しくするという悪循環に陥りがちです。
そんなとき、パートナーから白けたそぶりを見せられたり、プライドを傷つけるような言葉を投げかけられたりすれば、たいていの男性は落ち込んでしまいます。
ただでさえ、性の営みに対して不安を抱えていたり、自信を失っていたりする男性にとって、追い討ちをかけるような言動は禁物。初期の心因性EDの改善には心の傷をいたわる、パートナーの優しい態度や言葉が何よりの励みになるのです。
あえて、勃たせない逆説的療法も
主としてメンタル面から、心因性EDを改善しようと提唱されているのが「ノン・エレクト法」と呼ばれる一種の心理療法です。この治療法は、その名の通り「陰茎を勃起させない」ことを勧める逆説的な方法で、主に職場や家庭のストレスなどを原因とする心因性EDに有効とされています。
ノン・エレクト法は「勃起しなければ」というプレッシャーからの解放を目指しています。心因性EDの男性であっても「しなくてよいときに勃起することがある」というパラドックスを治療に利用したものです。
試みたすべての人に確実に効くとは限りませんが「勃たせる努力」ではなく「勃たせない訓練」をEDの克服につなげようとしている点でユニークな考え方だと思います。
治療に不可欠な理解と協力
ただ、ノン・エレクト法は男性の機能回復を目的としているため、男性の一方的な行為に終始しがちです。しかも、勃たせてはいけないという決まりがあるので、その時間が長引けば長引くほど、パートナーのフラストレーションを溜めることにもなりかねません。どのような方法であれ、EDの治療には、パートナーの深い理解と温かい協力が不可欠です。決して男性だけで解決すべき問題ではありません。パートナーの理解と協力は治療時ばかりでなく、改善後の豊かな性生活を楽しむうえでも大切な要素となります。
つまり、ED治療の効果を高めるには、パートナーとの二人三脚がモノを言います。例えば「男性の悩みを共有し、話し合う」「スキンシップを楽しむ」「性に対して積極的に振る舞う」「生活環境を変える」といった試みは性生活の充実にも役立つはずです。
こうした働きかけばかりでなく、専門医を訪ねてバイアグラなどのED治療薬を処方してもらうとよいでしょう。心因性EDの場合は、より明らかな改善がみられるはずです。
時には、自分の快感にも正直に
満ち足りた気持ちを確かめるのに余計な言葉はいらない
自分本位でないことはよいのですが、パートナーのことを思いやる気持ちが強く出てしまう結果、ちゃんと快感を得ているだろうか、オルガズムには至ったのか、などということばかりを気にするタイプです。
最悪の場合、気持ちがパートナーのほうに向きすぎ、勃起機能に支障をきたすことにもなりかねません。相手のことを考えてあげるのは尊いですが、そのことでEDの克服が後回しになっては本末転倒です。
時には、心行くまで自分の快感に意識を集中させることが大切です。改善の効果は性行為を通じてパートナーにもよい影響を与えるからです。
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