リフォーム費用/リフォーム見積りの読み方・諸費用

想定外の出費でトホホなリフォームトラブル(3ページ目)

やっとの思いで作り上げたリフォームが、想定外の費用のせいで、お財布にも心にも穴が開いてしまった、なんてことも結構あるものです。今回は想定外の出費でトラブルになってしまった事例についてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

工期が延びて仮住まい費用がかさみ18万円の出費

工事中
職人さんに「工事が遅れてる!」とは施主の立場ではなかなか言いづらいものです。ちゃんと工期を契約書に明記しておきましょう。
Cさん(40代男性)は築40年の住まいを全面リフォームして、新築同然の我が家にしたいと考えていました。数社の工事業者から相見積りもとって、一番安い価格を提示した業者に発注することにしました(総額約1,700万円)。住みながらのリフォームも検討しましたが、生活環境面、施工のしやすさと工事費用を考えて、工事期間中は仮住まいとして、近くのマンションの一室を借りることにしました。

Cさんは工事期間中、出勤前と仕事からの帰りにリフォーム中の住まいを眺めるのを日課にしていましたが、工期が半分くらい過ぎた頃、Cさんに不安がよぎります。イメージしているよりも工事が遅れているようなのです。当初工事業者からは「工期は約80日」と説明されていました。

仮住まいを3カ月の契約にしてあったCさんは、なんとか工事を急いでもらうようにお願いしましたが、「しっかりした施工のためにも、無理矢理な突貫工事は避けたい」との返事。そして工事は完了したのですが、結局、仮住まいの契約を1か月延長する羽目になりました(18万円)。

Cさんは業者に文句を言うと、業者は「工期は約80日で」と説明してあったと反論します。しかし実際は3カ月と1週間程度掛かっています。実は業者が説明した工期は「実働」の工期であり、大工さんたちが工事に取り掛かる日が75日という意味だったのです。つまり、日曜日や祝日などで工事をしない日は含まれていなかったというのです。

Cさんは唖然としてしまいました。しかもうっかりしていたのは、工事契約書の工期の欄は日付が空白のままで、いつまでに工事を終わらせるかということについて、定めていなかったのです。住まいは美しくよみがえりましたが、リフォームの怖さを感じてしまったCさんなのでした。

【教訓】
・業者からもらう工程表をもらうのは当然のこと。さらに、その工程表にはしっかりと日付を入れてもらうようにしましょう。
・工事契約書の工期の欄を空白のままにせず、特に工事完成後の引渡し日については明確にしておきましょう。

遠慮せずどんどん質問することで想定外は確実に減らせる!

今回の3つのケースは「業者が不親切だったから損をした」と片付けてしまうには早合点すぎます。中には悪意に満ちた業者もいると思いますが、そういった「騙され」トラブルよりも、実はこのような「想定外」トラブルの方が多いのです。

リフォームのことに慣れている業者と、ほとんど経験のない施主では、持っている情報量にあまりにも差がありすぎます。これが「想定外」を招く、一番の理由です。よく分からないこと、あいまいなことは、遠慮せずにどんどん質問して、納得するまでハンコを押さないという毅然とした態度が重要です。

「プロに任せておけば安心」と同時に、「分からないからプロに聞こう!」という意識を持っておけば、今回のようなトラブルはもっと減らせると思います。どうせなら「想定外」の費用ではなく、実際の工事費用にしっかりとお金を掛けて、快適なマイホームを手に入れましょう!

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