肩こりの原因としくみ
肩こりの感じ方には個人差がありますが、多くの人が慢性的な肩こりで悩んでいます。 |
他人から首の付け根辺りを押されて、「肩がこっていますね。」「首の筋肉がカチコチだね。」と指摘されて初めてこりに気が付く人もいます。
また、長年、常に肩こりを感じている、パソコンを使用した時だけ肩こりを繰り返している、年に数回、時々肩がこるような気がする、というように、その頻度もまちまちです。しかし、ひどい慢性肩こりで悩んでいる人はとても多いです。
肩こりの原因は?
肩こりの心当たりの中で、デスクワークやパソコンが原因かもしれない、という人がとても多いです。 |
ご自身で原因に気が付くことができるかどうかは別として、肩こりを引起す原因となるものには、次のようなものが挙げられます。
■姿勢によるもの
デスクワークの方は実感する機会も多いかと思いますが、長時間のデスクワークで肩こりが強まってしまうケースがあります。座り続けることで、特定の筋肉が収縮し続け姿勢を支える筋肉の働きが低下してしまい、頭部や腕を支える頚部の筋肉に負担が生じます。
それが日々繰り返されると、筋肉の緊張が慢性的になり、肩こりを感じるようになります。同じ姿勢から解放される機会が少ない場合、肩こりを起こす筋肉の血行不良も続いてしまうことになります。
■精神的な緊張によるもの
知らない道を車で走る、とても重要なプレゼン、苦手な人との会話など、精神的なストレスにより、体を緊張させる神経系の働きが優位になり、首・肩周辺や背中上部の筋肉が硬くなってしまうことがあります。
一時的な緊張の場合は、肩に力が入ってしまい脱力が出来ない状態も緩和させやすいですが、連日、精神的な緊張にさらされると肩こりが慢性化する可能性があります。
■手、腕の疲労によるもの
肩こりの人は、頭部、頚部、肩などを含めて、アンバランスになり筋肉の機能低下が起きている場合が多いのですが、それは不良姿勢につながり、さらにキー操作やマウス操作で使う手、指の動作に負担をかけることがあります。
すると、手、腕の筋肉が疲労しやすくなりますが、その二次的な影響によっても、肩こり状態から脱しにくくなる可能性があります。
■目の疲労によるもの
ただ目を動かすということではなく、繰り返しピントを合わせなくてはならないような細かい作業が続いた場合、焦点を調整する筋肉が酷使されその機能が低下することがあります。
すると目からの不快感から、肩こりを起こす筋肉が緊張するように作用することがあり、肩こりや首スジの張りを生じるケースがあります。目を酷使する際に、精神的緊張が加わると自律神経系を乱すことにもつながり、肩こり悪化やストレスによる視力低下も招きやすくなります。
■冷えなどの温度に関するもの
寒い場所にずっと居なくてはならない場合、体には自然と力が入り、毛細血管を収縮させ体温を逃がさないように反応します。
夏に冷房のきいた部屋で過ごす時、また、冷たい風が肩周辺に直撃しているといった場合は、自律神経系も乱れてしまい、肩こり悪化に要注意です。
肩こりのしくみとは?
同じ姿勢を続けていると、特定の関節や筋肉に負担がかかり続けてしまう恐れがあります。 |
自分にとって無理のかかる姿勢や動作などの関節や筋肉にかかる負荷や、仕事が忙しすぎたりプレッシャーとの闘いなど、何かを乗り越えるために神経系が乱され、肩こりに関わる筋肉が緊張してしまうといったことです。
また、居心地の悪い環境などにも影響されることがあります。本来自分の身を守るための反応なのですが、それが結果として、肩こりに関連する筋肉の緊張を生んでしまい、肩こりで不快な思いをして、さらにそれが肩こりの慢性化へ繋がるということが考えられます。
肩こりはこうして繰り返される
1. デスクワークで長時間同じ姿勢で体に負担をかける、精神的なストレスで悩まされるなど、体に良くない刺激が入る。
2. 自律神経系が乱れ、体を緊張させる交感神経系の働きが優位になる。
3. 血管が収縮し、血行が悪くなり筋肉の緊張が強まる。
4. 筋肉へ酸素が運ばれず、酸欠状態になってしまう。
5. 痛みの物質が産生され、神経が刺激されることで脳へ伝えられ、不快感や痛みとして感じてしまう。
6. この痛みや不快な情報によって、さらに筋肉の緊張が起こり肩こりが慢性化していく。
肩こりは他の病気のサインかもしれません。
健康管理のためにも、一度知っておくと便利です。
⇒2. 肩こりに潜む病気 >>