整形外科を受診する場合
外傷後や強い痛みの場合は整形外科の受診を
外傷による膝の痛みを始め、外傷はなくても違和感などの症状が長引く場合は、なるべく早めに整形外科を受診しましょう。レントゲンなどの画像検査や関節液検査などの専門的な検査で原因となっている疾患が的確に特定でき、早期処置を受けることができます。
整形外科で行われる主な治療としては、炎症を抑える薬や湿布薬の処方の他、必要であれば膝に溜まった水を抜くことや、ヒアルロン酸の注入も。血流を改善させる物理療法や運動療法の指導があり、通院が必要になることもあります。主治医の指示に従って早期治療を目指しましょう。
膝痛予防アイテムは自分で使えるものもさまざま
膝痛に役立つアイテムも実にたくさんの種類が販売されています。膝の負担を軽減させ日常活動をスムーズにさせたり、一時的に症状を緩和させたりと、その目的はさまざま。病院に行くほどの症状ではない場合や、再発防止のために、自分の膝の状態に合わせてうまく活用していきましょう。
膝サポーターで負担を軽減
参考商品:ダブルニーラップ (¥2,625) マクダビッド ジャパン株式会社
膝の調子が悪い時でも、仕事で歩き回らなくてはならないときや、スポーツなどの試合間近で運動をしなくてはならないことも。膝に負担のかかりやすい不安定な状態では、膝の動きに関わる筋肉も緊張しやすく、膝痛をおこしてしまう可能性が高まります。
そのような場合に着用する膝のサポーターは、膝関節への負担軽減に役立ちます。膝関節の安定性を向上させると動きやすくなり安心感も得られます。サポーターにはソフトな素材のものと、ガッチリしたハードなタイプのものがあります。
一例ですが、ソフトタイプサポーターなら「McDavid ダブルニーラップ」のように、サポーター使用が初めてな方でも楽に装着することができるラップタイプ(巻きつけ式)で、サポート力の調整も簡単なものもあります。これは膝をしっかり包み込む構造である一方、素材に適度なストレッチ性があるので、日常生活動作にも適しています。
サプリメント・医薬品で膝を強化
参考商品:コンドロイチンZS錠 (60錠(PTP包装) ¥2,520 90錠 ¥3,150)ゼリア新薬
変形性膝関節症の場合は関節軟骨のすり減りによる影響が心配されるため、日頃の食生活で痛みを予防できないか考える人も多いようです。まずは栄養バランスを考えた食事で膝に負荷がかかる肥満を予防し、コラーゲンの生成に必要なビタミンCをしっかりとることが大切。
一度すり減ってしまった軟骨を再生させることは難しいため、関節軟骨のすり減りが進行する前に予防・改善を始めましょう。予防・改善に役立つ成分として、関節軟骨の材料生成が増加される「コンドロイチン」が注目されています。
コンドロイチンは組織の水分保持にも関わるため、関節軟骨表面の滑らかさを守るとも言われています。多くのケースでは気付かない間に徐々に関節軟骨のすり減りが始まるので注意が必要。医薬品の「コンドロイチンZS錠」は早めに飲み始めることで関節軟骨のクッション機能低下を防ぐように働きかける成分を含んでいます。状態を急激に変えるためのものではありませんが、日数ををかけゆっくりと作用していくのが特徴です。
テーピングで不安定な膝のお皿をサポート
参考商品:ひざかんたん (2枚入り ¥735) 日東メディカル株式会社
怪我をして膝を痛めてから膝の調子が悪いという人も多いようです。この場合、複数の筋肉からなる太ももの筋肉が過度に緊張したり、働きが低下したりすることでバランスが崩れ、膝のお皿の動きや位置が不安定になっている可能性があります。テーピングで膝をサポートすると膝のお皿も安定し、動きやすくなり、膝痛の心配も軽減されます。
テーピングの方法は難しそうで1人ではうまく巻く自信がない人には、一人で簡単に貼ることができる「ひざかんたん」のようなアイテムも。伸縮性があり膝をしっかりサポートする一方で、膝の動きを窮屈にさせないつくりになっています。かぶれにくい素材が使われ、特に膝裏部分はメッシュ地になっており、通気性の良い加工が施されています。外出先への持参にもかさばらないコンパクトサイズ。
日頃運動不足で旅行先で久しぶりに長時間歩かなくてはならず不安という人は、このようなアイテムを知っていると心強いかもしれませんね。
怪我による腫れや熱感を取りたいとき
参考商品:コールドバンテージ (サイズにより¥2,100~3,150) アコードインターナショナル
膝に外からの衝撃を受けたり、日常生活のふとした動作で膝がカクンとぐらついて痛みが走ったときなど。思いがけず膝を痛めたときや、膝の腫れや熱感などの症状があるときに役立つのが膝を冷やすアイテムです。
例えば「コールドバンテージ」のようなアイテムは、気化熱を利用して冷やす効果を発揮するため、常温でも持ち運び可能で携帯するにも便利。冷んやりとした感覚で凍傷の心配も少なく、皮膚温を10度下げる冷却作用が期待されます。
保管時は常温でも大丈夫ですが、ジップロックに入れて冷蔵庫に入れることが推奨されています。
慢性的な痛みをやわらげたいとき
参考商品:モイストヒートパック (¥7,140) アコードインターナショナル
膝のお皿の周囲がこわばる感じがしたり、慢性的に膝が痛む場合は、膝関節付近の血流を改善させると症状が緩和されることがあります。
また、膝に負担のかかりやすい状態では、膝関節の動く範囲に制限がみられる影響で血行不良となり、膝周囲が冷たくなっているケースも。そのような場合も膝の周りを温めると、膝痛が和らいだり、曲げ伸ばしが楽になったりする可能性があるので、温熱アイテムを活用するのが便利です。
参考商品として挙げている「モイストヒートパック」は中身がメディビーズという柔らかい素材で、膝にもしっかりフィットさせることができます。電子レンジで約3分温めて使用し、洗濯も可能なため衛生的かつ経済的です。
膝の痛みや違和感の程度や種類は人それぞれ。辛いときは病院に行くのが一番ですが、日常的な不快感には自分の症状にあったアイテムを上手に活用して、対処するようにしましょう。