胃腸の病気/胃腸の病気一覧・初期症状

1分で分かる胃・腸・大腸のしくみ

食物は口から入って、食道、胃、腸を通ることにより消化吸収が行なわれます。これらの消化管で起きる代表的な病気や症状について書いていきます。

染谷 貴志

執筆者:染谷 貴志

医師 / 消化器・肝臓の病気ガイド

知っておきたい消化器の役割

消化器はところどころで太さが変わる1本のパイプのような構造になっています

消化器はところどころで太さが変わる1本のパイプのような構造になっています

消化管は、口から肛門までの一本の中空臓器、つまりはパイプのようなものです。しかしいわゆるパイプと違うのは、非常にやわらかくて、内腔は粘膜で覆われ、その周りを平滑筋という筋肉が取り巻いています。全長9mに及ぶ消化管の中で次第に食物が消化され、最後には糞便となり肛門から排泄されます。いわば整然と分業化された食物解体工場といえます。

ここでは、簡単に消化器の働きを順番にまとめてみたいと思います。

■消化器としての口の役割
食物は口の中で噛み砕かれて、消化されやすい形になります。そして食物と唾液をよく混ぜ合わせて飲み込みやすい形にします。

■食道の働き
口の中の食物は、誤って気管に入らないようにうまく食道に入ります。食道は25cmほどの管で、横隔膜を貫いて胃へとつながります。飲み込みやすい形になった食物は、食道を通って胃に送られます。食物は、食道の筋肉の動きにより胃に送られていきます。この運動が障害されたり、腫瘍などがある場合には、食物がうまく胃に送られません。

■胃の働き
胃は食道と十二指腸の間に存在する袋状の臓器で、食道からつながった部分を噴門、出口の十二指腸につながる部分を幽門といいます。胃液には塩酸やたんぱく質を分解する酵素が含まれていて、食物の消化を行ないます。胃には吸収する機能はほとんどありませんが、アルコールは胃から吸収されます。

■小腸の働き
小腸は6~7mにも及ぶ管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸に分けられます。この小腸では栄養素の吸収が行なわれます。

小腸の入り口にあたる十二指腸は30cmほどの長さですが、膵臓から出てくる膵管や肝臓、胆嚢から来た総胆管が流れ出てくる河口になっており、食物と膵液、胆汁を混ぜ合わせ、消化、吸収を助けるだけでなく、消化の中継点となっています。その後の空腸、回腸で必要な栄養分を吸収していきます。

■大腸の働き
大腸の太さは小腸の2倍くらいありますが、長さは1.6m程度で小腸よりは短い腸管です。さらに盲腸、結腸、直腸に分けられます。小腸までで消化され、栄養素を吸収された食物は大腸へと送られてきます。この大腸には消化機能はほとんどなく、水分を吸収して糞便を形成します。糞便は結腸から直腸へと送られます。直腸内に糞便が溜まり、その中の圧が高まると便意が起こります。肛門括約筋の緊張を緩め、直腸のぜん動が活発になると排便されます。

以上が各消化器の役割です。

続いて消化器に消化器に異常がある場合の初期症状 についてチェックしましょう。
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